光源氏に鬼にコイ 石山寺への道は楽しい
滋賀県大津市の石山寺に取材に出かけた。あいにくの曇天で小雨まじり。底冷えがしたが、歴史を実感させてくれるレリーフがあって、門前までの道程も楽しかった。今回はツッコミ封印の観光案内。「そんなもん、オモロない」という声も聞こえてこないので、まずは京阪「石山寺」の駅前からスタート。
駅を出ると正面を国道422号が走り、その向こうに瀬田川が流れる。国道を渡ると一風変わったモニュメントが建っていた。大津市が作った「紫式部の泉」と名付けられた噴水だ。中央に6面のレリーフがあって、近づいてよく見ると「源氏物語絵巻」の場面だ(写真)
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場面は光源氏が赤ちゃんを抱いている「柏木三」と中の君と匂宮の「宿木三」、浮舟が描かれた「東屋一」が2枚ずつ。
石山寺は紫式部が「源氏物語」を書くために参籠したゆかりの寺だけに効果的な演出だ。天気がよければレリーフはもっとキラキラ光っただろうが、小雨の中ではあまり光らない源氏? ちょっと残念だった。
駅前から石山寺までは瀬田川の河川敷を歩くか、国道に沿った参道を歩くか、どちらでもいいが、約10分ぐらいで着く。石山寺の東大門が見えてきたところで、参道沿いに小規模な日本庭園が造られていて、真ん中に怖い鬼を石に彫ったようなものが建っていた。案内板には「朗澄(ろうちょう)大徳ゆかりの庭園」とあった(写真)
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重要文化財の「石山寺縁起絵巻」にあるこの鬼についての言い伝えが説明されていたが、要約すると、およそ次のようなことだ。約800年前、石山寺中興の祖となった名僧「朗澄律師」は頭がよかっただけでなく、絵もかなりうまかったという。死を前に「私が死んだら青鬼となって人々を守る」と誓った。その死後、弟子の行宴が山の峰の松のこずえに朗澄が姿を現したところを見て、覚めてからその場所に行ってみると、金色の鬼が四方を見渡していたという。言った通り鬼となっていたのだ。石に彫られた鬼の像の写真を撮っていると、足下に見事なニシキゴイが集まって、水面で口をパクパク(写真)
。50センチを超える大きなコイばかり。
ところで、この日の取材は、石山寺門前町の伝統料理「しじみ釜めし」。門前の料理屋でしじみ釜めしのセットを食べていると、刺し身が出てきた。一瞬、タイかなと思ったらコイの洗いという。ついさっき、コイを眺めていたので、ちょっと気が引けたが、口に入れてみると、コリコリとした食感で、酢みそとよく合う。なかなか美味だ。しじみとともに、これも伝統料理のひとつのようだ。小雨はいつの間にかみぞれに変わったが、琵琶湖から出てきたばかりの瀬田川の流れを見ながら、仕事とはいえ、優雅な時間を過ごした。
「しじみ釜めし」については22日の本紙(大阪本社版)をお楽しみに。(鬼塚 静信)
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