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2013年12月 8日 (日)

「引退 男たちの決断」石井一久さんインタビュー・取材後記。

弊紙連載「引退 男たちの決断」。今季限りで西武を引退した石井一久さんのインタビューは、話をうかがっていて、とても楽しいものでした。野球選手のインタビューで、こんなに「起こす」ことが楽しかったのは、巨人を退団する際の桑田真澄さん以来かなと思いながら、ICレコーダーの肉声をパソコンのキーボードにたたき続けました。

11月下旬、球団広報から指定された収録場所は、浜松町の文化放送でした。その日、一久さんは文化さんで収録があったので、前後に場所を提供いただき、インタビューさせていただくことになったのです(ご厚意に感謝です。文化さん、ありがとうございます)。

文化放送はあこがれの会社です。17年前、大学4年の初夏。まだ四谷にあった文化放送でアナウンサー試験に臨みました。えのきどいちろうさんの「意気揚々」という番組が大好きで、入社を夢見ていました。最終面接で最後の2人まで残りましたが、わたしに内定通知は出ませんでした。

現在、取材の現場で文化放送のアナウンサーさんと一緒に仕事させていただき、実況職人としての凄味に接するたび「やはり、自分は力不足だったのだな」との思いを痛感します。

そんなわけでわたしは報知新聞社に入社し、16年目の冬を迎えています。来年は40歳。若いつもりが、すっかりおっさんになりました。一久さんは1学年上です。一度、聞いてみたいことがありました。

一久さんは日米であれほど凄い成績を積み重ねたのに、大御所のように振る舞うことなく、ライオンズの若い投手陣とまるで友達みたいに接してきた。どうしたら一回り年下の方々と、年齢を超越したいい人間関係が築けるんですか?

「ボクは勝ったから偉いとか、勝たなかったから偉くないとか、考えたことはないし。気にしたことないですね」

そして、こう続けました。

「一つ言えるのは、ボクと付き合う以上、ボクも彼らに何かを与えなくちゃいけないと思っているんです。ボクと話して、何のメリットも吸収するものもないという、ボク自身が薄っぺらい人間でいたくない」

「だから何かやっぱり、人生を長く生きている分、ためになることをちょこちょこっと言ってあげたい。野球もそうですが、普通の生活の時の知恵だったりとか。そういうものは与えてあげたいなと思いながら、接しています」

ああ、とても素敵な心がけだな、と思いました。長く生きていると、ただそれだけで若い人たちよりも数段上にいるような錯覚に襲われますが、決してそうじゃない。我が身を反省し、初心に戻るきっかけをいただきました。一久さんを見習って、そんな40代を目指していきたいとの思いを強くしました。

事前に指定された時間は20分。でもやっぱり、10分オーバーしちゃった。「野球の話、あんまりしませんでしたね」。録音の最後は、一久さんのそんな優しい声で締められていました。

読者の皆さんには、軽妙なトークの中に潜む「野球人・石井一久」の凄味を感じていただけたら、とてもうれしいです。一久さん、いつか指導者として、経営者として。野球界のど真ん中に戻ってきて下さい。セカンドキャリア、とても楽しみにしています。

【引退 男たちの決断】前西武投手・石井一久氏

http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20131208-OHT1T00047.htm

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コメント

石井さんの現役時代は、あの速球と大きく曲がるカーブが印象的。
良きライバルだった松井さんが、タイミングを合わせるのに苦労していた。
ネット記事によると、第二の人生を吉本興業の社員としてスタートされるとのこと。
私の好きな吉本新喜劇にもゲスト出演したという話を耳にしました。
今後も愛されるキャラクターとして頑張って下さい。

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