柏はファンに愛されているクラブ
日本各地にあるJリーグのクラブでは、それぞれに特徴がある。チームの選手構成、強さなどはもちろん、スタジアムの広さや作り、そしてクラブを愛するサポーターの存在も様々だ。
私が柏レイソルを担当してまず感じたのは、選手とファンの距離がすごく近いということ。たしかに、ホームの日立柏サッカー場の構造上、ピッチと観客席が近いこともその理由の1つ。08年の鹿島戦では、CKをけろうとする柏MFアレックス(現千葉)の頭に鹿島サポーターの降る大旗が直撃した事件もあったほど。選手の息づかい、ボールと体がぶつかり合う臨場感を間近で感じられる、国内屈指のサッカー場と言える。
メーンスタンド上方の記者席で試合を見ていると左側の応援席、つまり柏のサポーター側から、思わずくすっと笑ってしまう応援歌が聞こえてくる。人気漫画「空手バカ一代」の主題歌を替え歌にしたサポーターズソング「柏バカ一代」を、毎試合前に大合唱するのだ。「仮面ライダー」や「宇宙戦艦ヤマト」のテーマ曲に乗せて、選手の応援歌が鳴り響く。勝利した後、名曲「グリーングリーン」が原曲の「レッツゴー柏」を選手・サポーターが全員で歌って踊る“日立台劇場”は、言わずと知れた名物となっている。
それだけではない。柏の選手、監督はファンサービスにかける時間を決して惜しまない。自分が取材に行くと、必ず毎日練習を見学し、選手と会話している熱狂的ファンも少なくない。選手たちもそれに対して快く応じる。06年から3年間指揮した石崎信弘監督(現札幌監督)のサービスぶりには驚かされた。1人ひとりと写真撮影、サインに応じ、5~10分会話を楽しむこともしばしば。天皇杯決勝・G大阪戦を翌日に控えた昨年の大みそか、柏での最後のファンサービスタイム。石崎監督の前には大行列が作られ、約1時間半にわたって笑顔で接していた指揮官の姿が忘れられない。
ファンに愛されるクラブ―。もちろん柏だけがそうあるというわけでは決して言うつもりはない。自分自身、Jリーグすべてのチームを見てはいないから。だが、間違いなくその理想型を感じるクラブの1つだと感じながら日々、柏へ足を運んでいる。
(千葉、柏担当・星野浩司)

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