ずしりと重かったW杯優勝メダル
W杯の“優勝メダル”に触れた。
南アフリカW杯で4試合を担当した西村雄一主審(38)、相楽亨副審(34)の報告会見が16日、東京・文京区本郷のJFAハウスで行われた。両氏は、決勝のスペイン―オランダ戦(11日)で、それぞれ第4審判、予備副審を務め、表彰式では優勝チームに与えられるものと同じ金色のメダルを贈られた。
会見後、西村主審は「皆さん(報道陣)どうぞ手に取ってください」とにこやかに話した。せっかくの貴重な機会なので、メダルを持った。ずっしりと重かっ た。
西村主審、相楽副審、韓国のジョン・ハソン副審の3人のチームが担当した4試合のうち、準々決勝オランダ―ブラジル戦(2日)を現地で取材した。ブラジ ルが敗れる波乱の一戦となったが、審判団は冷静に試合をコントロールしていた。実際、ブラジルが1―2でリードされたまま、試合終了時間が近づくと、スタ ンドのブラジルのサポーターが騒ぎ出し、スタジアムは異様な雰囲気に包まれたが、試合後は一転、大きな混乱は起きなかった。判定に不服を唱えるサポーター は、ほとんどいなかった。
その一戦の裏話は、面白かった。
西村主審は、後半28分にオランダFWロッベンを踏みつけたブラジルMFフェリペメロに毅然(きぜん)とレッドカードを突きつけた。試合終了後、ブラジ ル代表のチームマネジャーから、そのフェリペメロの背番号5番のユニホームを贈られたという。もしかしてブラジル代表の嫌みなのか、と私は勘ぐっていた が、西村主審は「ブラジルのチームマネジャーに『お疲れさん』と笑顔で言ってもらいました」と笑顔で言った。
相楽副審は、ブラジル代表ベンチのサイドを担当。95~98年に磐田でプレーしたブラジルのドゥンガ監督は片言の日本語でプレッシャーをかけ続けたとい う。「日本語で『あなた間違っている。いつも間違っている』と言い続けていました。でも、リードされてからはおとなしくなってしまいました」と苦笑いしな がら話した。
誤審が目立った南アフリカW杯で、西村主審チームの評価は高かった。国際サッカー連盟(FIFA)の小倉純二理事(71)=日本サッカー協会副会長=に よると、もし、決勝が欧州と南米の組み合わせだった場合、アジアの西村主審チームが選ばれた可能性があったという。ベスト16入りを果たした岡田ジャパン と同様に、日本サッカー史に残る快挙だった。(日本サッカー協会・竹内 達朗)

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