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2012年1月20日 (金)

ダルには圧倒的なパフォーマンスを期待する(第659回)

 最近、派手な活躍がない侍メジャーリーガーたち。それだけに日本の野球ファンのダルビッシュへの期待は絶大だ。2リーグ制以降、ただ一人の5年連続防御率1点台だが、渡米前年成績が勝利、防御率いずれもベスト。25歳での挑戦も日本で実績を残した投手では松坂大輔を1歳下まわる“最年少”だ。

 いつの時代もアメリカという国は、新たな驚異を待ち望んでいる。1990年代初めのベストセラー、「遠くからきた大リーガー―シド・フィンチの奇妙な事件」(文春文庫)は、ヒマラヤからやってきた時速270キロの球を投げる主人公が巻き起こす物語だった。

 その主人公ほどではないが、現実の世界でもファンが試合に押しかける怪腕は少なくない。近年では、09年にサンディエゴ州立大から米国新人投手史上最高の1510万ドルでナショナルズと4年契約を結んだS・ストラスバーグがいる。10年のデビュー戦でいきなり7回2失点14奪三振。94球中34球が、98マイル(約158キロ)超えとい快速球快速球で度肝を抜いた。

 もちろん95年の野茂英雄(ドジャース)も忘れられない。初勝利こそ7試合目と時間がかかったものの、快速球とフォークボールに全米が熱狂した。6月には2完封を含む6戦全勝。その勢いのまま、オールスター戦の先発投手の座までゲットした。ルーキーイヤーは13勝6敗、リーグ2位の防御率2・54。リーグトップの236奪三振で新人王にも輝いた。防御率と奪三振は、いまだに日本人投手の記録として残っている(ちなみに日本人投手の1年目最多勝は07年松坂の15勝)。

 もう少し前なら剛速球と大きなカーブで新人最多奪三振記録276をマークした84年D・グッデン(メッツ)=17勝9敗=。スクリューボールで、開幕8連勝した81年のF・バレンズエラ(ドジャース)=13勝7敗=がいる。彼らは最終的に20勝に到達できなかったが、それ以上にメディアの注目を集め、本拠だけでなく敵地のファンも続々呼び込む。記録にも記憶にも残るスーパールーキーだった。

 今回のダルビッシュ騒動に、年配のレンジャーズ・ファンなら思い出すのが1973年にドラフト全米1位で指名した高卒左腕のデービッド・クライド投手だろう。高校時代に18勝0敗、うち完封14。当時はスピードガンは無くMAX何キロだったかは判明していないが、160キロ前後だったと言われる。当時として画期的な12万5000ドルで入団。背番号32は、1960年代ドジャースの黄金時代を築いた伝説の左腕サンディー・コーファックスにちなんで決まった。全米が注目しており、レンジャーズはマイナーを経ずにドラフト後の高校生では初めてマイナーでの経験なしに6月27日にデビュー。何とホワイトソックス戦で、本拠アーリントン・スタジアム初の満員札止めの3万5968人。続く登板も3万3010人が詰めかけた。ただ、あまりにデビューを急いだこともありメジャー通算18勝33敗でユニホームを脱いだ。

 もちろんダルビッシュにはそんな心配はなく、中4日登板もこなしていけば年間32試合の先発(日本時代最多は28試合)が可能。85年のT・ブラウニング(レッズ)以来の新人20勝も狙える。ただ、数字を超えた後世にも語り継がれるような圧倒的なパフォーマンスを見せてほしいものだ。(20日付け本紙のヒルマニアを加筆修正しました)

コメント

最大の問題は「中4日」ではないでしょうか。ダルは「週1」が定着していましたから。それがうまくいって、7回110球ペースでいけば、大丈夫なのでは。

デービッド・クライド古いですね。彼は高卒、ダルは日本プロ野球経験しています。心配ありません。ズバリ17勝8敗。

バレンズエラ、D.グッデン両選手とも独特のピッチングフォームが印象に残っています。もちろん、圧倒的な投球も。
ダルビッシュ選手ですが、おっしゃるように中4日で登板出来れば、彼の力からして結果はおのずとついてくると思います。
それよりも気になったのは、24日のダルビッシュ投手の会見内容でした。
「僕は勝負をしたい。相手も『打ってやるぞ』とか、そういう気持ちで来て勝負が成り立つ。そうじゃなくなっていた。」(読売新聞より)
この言葉はまさしく野村克也氏が常々言われている「一流のバッターが一流のピッチャーを育てる。今の日本球界にはそれがない。」というお話と重なります。
ダルビッシュ投手のピッチングをメジャーの舞台で見たいという気持ちはありますが、このままではいずれ日本球界が巷間言われているところの、メジャーリーグにおけるマイナー的な位置になりはしないかと心配しています。
ともあれダルビッシュ投手の力量はまさしく本物ですので、メジャーでも圧倒的な存在感を示してほしいと思います

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