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2016年1月 9日 (土)

意外な不人気がもたらしたマエケンの不平等契約(第832回)

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 ドジャース入りが決まった前田健太投手がロサンゼルスのドジャー・スタジアムで7日、記者会見を行った。その中で「身体検査においてイレギュラーな点がありました」と自ら、故障に繋がる可能性の部位があることを明らかにした。ドジャースが12月に、岩隈久志投手との総額4500万ドルの3年契約を白紙に戻したのも身体検査での異常によるものだった。古巣のマリナーズが故障箇所を把握しながら、成績次第で最大4700万ドルの3年契約を結んだのとは大違い。それだけ、ドジャースは故障に対するチェックを厳しくしているのだろう。今回の前田も、もし他球団なら許容範囲のキズ?だったかもしれない。

 総額2500万ドルの8年契約は年平均に直すと約313万ドル。これは平均年俸が約396万ドルにまで高騰したメジャーの平均年俸をも下回る。その一方でインセンティブ(出来高)は最大1015万ドル。32度の先発と投球回200以上という2つのハードルを越えなくてはいけない大きな壁だけに昨年もわずか25人しかいない。年俸を大幅に上まわる出来高は通常、故障の多い選手や、ベテラン勢に設定される事がほとんど。過去のポスティングで渡米した主な日本人投手の平均年俸は、松坂大輔とダルビッシュ有が年平均800万㌦強、田中将大に至っては2000万㌦超だった。それだけに“格安感”が否めない。アストロズが前田獲得に乗り出していたという報道はあったものの、私は広島東洋カープが、メジャー移籍を目指す前田をポスティングシステム(入札制度)申請するに際して設定した譲渡金の限度額2000万ドルを支払うことを受け入れたのはドジャースだけだったと思う。競争相手がなく、なおかつ故障のリスクも重なって、期間中アップもしない上に、オプトアウト(契約破棄)、通常複数年契約のつきもののトレード拒否条項もない、すべてに買い手市場の展開だったような原因ではないか。

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もう一つ、開幕ロースター入りで15万ドルという要項もついた。こちらは、数字によるインセンティブではなく、オープン戦で結果を残せなかったら、マイナースタートですよとの通告である。もちろん、いい意味で解釈すれば故障のリスクを考慮しての措置でもある。米直前3年間に30勝以上を挙げた日本を代表する先発投手は別表のようになるが、昨年の15勝含め3年間で41勝していた日本人投手への件に対するオファーだと、とても思えない。

 1995年、野茂英雄が渡米した時は選手会ストライキの真っ最中で契約金200万ドルと10万9000ドルという安い金額しか保証されなかった。村上雅則投手が1964。65年と2年間プレーしただけで、日本人投手の実力をメジャーが図りかねていたためだ。

 あれから20年。ダルビッシュ、田中、岩隈、そして上原と現状メジャーの主軸になっている投手はそろって故障で離脱しているのも大きな逆風となった。あのとき、野茂は前年の肩痛を懸念されたものの、ストライキによる約2か月間に渡る長い“スプリングキャンプ”で再び球威を取り戻してメジャーを席巻した。ドジャースの思うツボになるのは気分悪いが、前田には焦って故障することだけは避けて欲しいものである。

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蛭間 豊章

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