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2017年5月14日 (日)

自責点は難しいが、興味深い記録である(第845回)

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 米時間5月2日、メジャーの小さなニュースに「ダルビッシュの4月29日のエンゼルス戦、自責点を2から1に変更する」があった。4回にカルフーンが左前安打、続くトラウトが三塁線に二塁打を放ちカルフーンが生還。遊撃手のカットプレーが悪送球になって三塁進塁。続くプホルスの左犠飛でトラウトが生還した。エラーがなければ左翼フライで生還もないので最初は自責点1と発表された。しかし、メジャーの自責点の考えは1イニング終わった段階まで待つ。そのため、2アウト後にシモンズの左前安打が出たことで、失策が無くても走者が生還できると考えられたために自責点2となった。(この規則は、日本ではプレーごとに自責点を出すために1点となる)。

 5月10日の読売ジャイアンツ・阪神タイガースの試合ではこんな事があった。1回ジャイアンツの攻撃、先頭の石川が四球で出塁、続く中井の二塁よりのゴロを遊撃・北條がファンブル(失策)、坂本勇が三塁フライで1アウト。打者阿部の時に二塁走者の石川が、投球をはじいたのを見て三塁を狙うも捕手からの送球で2アウト。2死二塁から阿部が右翼席に2ランホーマーを放った。

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 翌日に記録ノートを付けるためにテーブルを見てびっくり。タイガース先発岩貞は7失点すべて自責点になっていた。自責点の定義はこうだ。野球規則9.16自責点、失点の項(a)に、自責点は、安打、犠牲バント、犠牲フライ、盗塁、刺殺、野手選択、四球(故意四球含む)、死球、ボーク、暴投により、走者が得点する度にごとに記録される。ただし、守備側が相手チームのプレーヤーを3人アウトに出来る守備機会をつかむ前に、前記の条件をそなえた場合に限られる。とある。つまりそれ以外(失策などで3アウトになっていたケース)は自責点にはならないはずと私は頭に刻み込んでいた。失策がなければ3アウトになっていたので、てっきり初回の失点2は自責点にならないと思っていた。

 そこでNPBの記録部関係者に聞いた。説明はこうだった。「遊撃手は二塁寄りの打球をファンブル。あくまで一塁走者を刺そうとしたプレーで、失策は一塁走者の二塁進塁について付けた(写真参考)。その走者が三塁を狙ってアウトになったことで失策分のアウトの機会が消滅。この場合、1人の走者に2つのアウト機会はありえないので、残った走者は自責点になるのです」との答えだった。

 自責点の項【注1】攻撃側プレーヤーに対する“アウトの機会”を数えるにあたっては、種々の場合があるので、次ぎに列記する。とある。

 この中の(3)に、1度アウトの機会のあった打者または走者が、他の打者の行為とみなされない原因、たとえば盗塁またはこれに類する行為、あるいは余塁を奪おうとした行為でアウトになったとき、アウトの機会が2度あったように見えるが、1度と数える(他の打者の行為などで走塁アウトになった時はアウトの機会は2度となる)。これに当たることを教えてくれた。

 通常の打球でファンブル、失策が走者でなく打者走者につき、同じような展開になっていれば自責点0だったのだから、やや不条理に見えるが仕方ない。自責点に関しては難しい。しかし、こんなケースもあることを知らされ、まだまだ勉強不足を痛感させられた。

 この自責点によって左右されるのが防御率。投手成績の一番のバロメーターであるこの数字に興味を持って、毎日のスポーツ新聞の投手ランキングをチェックするのも野球ファンの大きな楽しみである。

 【注】写真はタイガース・北條のファンブル(一塁走者・石川、二塁手糸原)。そしてNPBから配られたスコアカード。

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蛭間 豊章

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