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2017年12月11日 (月)

おめでとうジャック・モリス(第852回)

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 米野球殿堂が10日(日本時間11日)、1970年代から80年代に活躍した選手、関係者の中から、通算254勝(186敗)右腕ジャック・モリス、名遊撃手だったアラン・トランメル両氏の殿堂入りを発表した。計10人の候補から、殿堂入りOBや有識者など16人の選考委員が投票、殿堂入りに必要得票率は75%だが、モリスは14票、トランメルは13票でクリアした。

 野茂英雄デビュー前からのメジャーファンにとっては、今回の両者の殿堂入りは感慨深いものがあるだろう。両選手ともにタイガースの主軸として1984年の世界一に貢献。パドレスとのワールドシリーズでトランメルは2本塁打含む20打数9安打6打点でMVPに輝いた。モリスも第1戦と第4戦にともに2失点完投で2勝とヒケを取らない活躍を見せていた。2人は1977年から90年まで14年間タイガースにチームメートだったが、これだけ長い期間一緒にプレーして同時に殿堂入りした例には1953年から67年までヤンキースに在籍していたミッキー・マントル外野手、ホワイティ・フォード投手が1974年に選出された時くらいだ。

モリスは1991年にツインズ入りした際のワールドシリーズにも歴史的な熱投をする。ブレーブスが相手だったが、雑誌Slugger11月号で、記憶に残るシリーズのアンケートにも、私は7試合中4度もサヨナラ劇のあったこの年のワールドシリーズを挙げたほど鮮烈だった。モリスは第1戦、7回0/3を2失点で勝利投手、中3日の第4戦は6回を1失点でマウンドを降りた(勝利投手の権利も救援陣打たれフイ)。ともに本拠地で勝利し3勝3敗で迎えた第7戦はツインズの本拠で行われた。
 モリスは2度目の中3日。ブレーブスも後に野球殿堂入りするジョン・スモルツが中3日でマウンドに上がった。ともに速球が走り、変化球が切れて7回まで両軍0行進。モリスは8回に無死二、三塁のピンチを迎える。右打者のロン・ガントを一塁ゴロに仕留めたが、続く4番は強打の左打者デービッド・ジャスティス。ここでトム・ケリー監督がマウンドに向かうと、5万5118人のメトロドームの地元ファンから「代えるな。そのまま彼に投げさせろ」の大合唱。モリスも「5番のシド・ブリームを抑える」と続投要求。ジャスティス敬遠後にブリームを一塁ゴロ併殺打に抑えた。
 大ピンチをしのぎ10回まで無失点のモリスに、10回裏ジーン・ラーキンがサヨナラ打を放って熱投に報いた。ワールドシリーズでの延長戦完封勝利は過去2人いたが、最終第7戦では現時点でもモリスしかいない。当時、私はプロ野球の記録担当ながらメジャーも掛け持ちで、日々の大熱戦にしびれながら仕事をしていた。
 2001年、イチロー取材でツインズの本拠ミネアポリスに行った際にタクシーの運転手に当時の事を聞くと「あの時は夢のような試合が連日続いた。地元(セントポール)生まれのモリスはあの1年だけしかツインズにいなかったが、それだけで十分さ」と話してくれたのを思い出した。
 モリスはノーヒットノーランも2度達成していたものの通算防御率3・90と高かった(殿堂入りでは最悪)。そのこともあって実績十分ながら殿堂入りの最高得票率が67・7%(2014年記者投票)止まりで全米野球記者協会員の投票では15回候補になりながらクリアできなかった。モリスは「この日(の殿堂入り)が来るのかどうか疑問に思っていたが、そんな思いは吹き飛んだ。最高の夜になった」と話す一方でレギュラーシーズンだけで175試合に完投した事に触れ「自分は何点とられるかではなく、勝つために1試合最後まで投げ通すことだけを考えていた。今の時代の投手では無理だろうがね」と、現在のセイバーメトリックス系の数値全盛の野球にやや批判的な古いタイプだ。そんなところにも私がひかれる要因である。
 
 その他の候補者で強打の捕手T・シモンズは1票足らずに、また理事として選手会を強大な組織にしたM・ミラーは5票不足で殿堂入りを逃した。他の6人は投手がT・ジョンとL・ティアント、野手がS・ガービー、D・マッティングリー、D・マーフィー、D・パーカーらだ。なお、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏らが候補となっている全米野球記者協会員選出の殿堂入りは来年1月24日に発表される。
 【注】写真はスポーティングニューズ紙が1991年に出版したポストシーズンをまとめた「ザ・シリーズ」

コメント

ジャック・モリス氏のコメントは、良い意味でのメジャーリーガーのプライドと、道理にかなった重い言葉に感じます。

今の時代、ネットで簡単に過去の選手の成績が見られるので、ピッチャーは防御率を重視する傾向があるのでしょうか。
その選手の現役時代、全盛期、チーム状況等をつぶさに見てきた人と、上っ面や数字だけを見ている人では意見が異なるのは当然でしょう。

早いもので日本の野球殿堂入り投票も、間近に迫って来ましたね。
自分は原辰徳氏のファンという事もあり、前回まで熱い気持ちで結果を待ち望んでいましたが、今回はそのような気持ちになりません。

前回のエキスパート部門での、原氏の落選が大きな要因ではあると思うのですが、その後、過去の受賞者、記事、記者のブログ等、いろいろ調べて行けば行くほど、気持ちが冷めていってしまいました。

活字に残る仕事は大変ですね...。

今年は違った見方で楽しみを見付けたいと思います。

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蛭間 豊章

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