60年代はなんてカッコよかったのだろう
◆映画「Factory Girl(ファクトリー・ガール)」 (4月19日公開)
60年代ニューヨークのアンダーグラウンド・シーンの主役、アンディ・ウォーホルのミューズとして知られる美女、イーディ・セジウィックの伝記映画。
ボブ・ディランの「アイム・ノット・ゼア」と並んで、個人的には今年前半でもっとも、見たかった映画だ。
好きなジャンルだけに、どうしても採点が辛くなる。
試写を見た感想は、2つの「?」と2つの「納得」だった。
まず2つの「?」。
その最大の1つは、ボブ・ディランだけが実名で登場しないこと。イーディ本人はもちろん、ウォーホルも、この映画では脇役でしかないヴェルベット・アンダーグラウンドでさえ実名で登場しているのに、重要な登場人物であるディランが実名で登場せず、謎のフォーク歌手みたいな扱いになっている。
ディラン・サイドの許可が出なかったのだろうが、これでは、せっかくの伝記映画の「伝記」の意味合いが薄れてしまう。
もう一つは、イーディ役のシエナ・ミラーが私のイメージするイーディ像とずれがあること。これは、純粋に私だけの感想だけれど、イーディってもっとあやしくて、アブナイ感じがあったほうがいいよね。
「納得」の第1点は、ウォーホルと彼の工房ファクトリーが、私のイメージにピッタリに描かれていること。
特に、ガイ・ピアースのウォーホルは、無機的なしゃべり方やポーズが病的で、とてもいい感じだ。
もう1点は、第1点と似ているけれど、ファッションや街角の風景がカッコよくて、60年代の雰囲気をよく出していること。
日本では昭和30年代の貧乏臭さがノスタルジックに描かれるけれど、アメリカ人は、貧乏にはノスタルジックは感じないのだろうな、とも思った。
過去を懐かしく感じるか、カッコよく感じるかの違いもあるし、いろいろ、ムズカシイことを考えさせられる映画でした。私にとっては。

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