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2009年7月27日 (月)

キャデラック・レコード

 ビヨンセが製作総指揮に名を連ね、自らも天才女性シンガー、エタ・ジェイムズ役で出演している音楽映画「キャデラック・レコード」が8月15日から公開される。

 宣伝パンフレットなどを見ると、ビヨンセが主役で、あの「ドリームガールズ」のような映画かと思うが、確かに「ドリームガールズ」と共通点は多いものの、ちょっと味わいが違う。

 この映画の主役はレナード・チェス。白人でありながら黒人音楽専門のレーベル「チェス・レコード」を立ち上げた人物だ。

 そのチェス・レコードの代表アーティスト、マディ・ウォーターズとチェスが力を合わせて、レーベルを大きくしていく、一種の成功物語で、ほとんどの登場人物が実在の人物。ほぼ、実話のドラマ化で、黒人音楽に興味のある人には必見の映画と言える。

 物語の展開上、史実を書き換えたり(本当は兄弟であるチェスを1人にしている)、歴史順を入れ替えたり(チャック・ベリーの入獄前に、ビーチボーイズが盗作をしたことになっているがベリーの入獄は60年、ビーチボーイズのデビューは61年)している部分が気になったが、50年代の黒人音楽と60年代の白人ロックとの関わりなど、ポップ・ミュージックの黎明期の実態や世相などが手際よくまとめられていて、ポップ・ミュージックの教科書としても見ても、とても勉強になった。

 チェス・レコードはマディ・ウォーターズやチャック・ベリーなどが在籍し、ロックンロールの誕生に大きな影響を与えたレーべルとして有名で、ソウル・シンガーの範疇に入るエタ・ジェイムズがあまりクローズアップされることはなかったように思う。

 しかし、この映画のビヨンセはかなりの熱演で、「ドリームガールズ」ではジェニファー・ハドソンを目立たせるために力をセーブしていたとの説もあった歌唱力を全開させていて、鳥肌モノの熱唱を聴かせてくれる。

 これでビヨンセは、モータウンとチェスという2大黒人レーベルを代表する女性シンガー2人を演じたことになる。

 自分たちのルーツにこだわり続ける、アメリカのミュージシャンのこういう姿勢って、本当に素晴らしい。

  

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