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2009年10月19日 (月)

あの素晴らしい愛をもう一度

 加藤和彦さんが自殺した。

 フォーク・クルセダーズでデビュー以来、いつも最先端を行く格好いい生き方をしていた人という印象があっただけに、病気とはいえ、自ら命を絶つという死に方が加藤和彦というブランドとマッチしていない感じがして、とても驚いた。

 その昔、加藤さんはトノバンと呼ばれていて、それはイギリスのフォークシンガーのドノヴァンのもじりなのだけれど、そのドノヴァンを知る人も少なくなってしまい、加藤さんの場合、その悠然とした姿から、お殿様をもじった殿バンという感じもした。

 日本のフォークソングは1960年代後半に始まって、高石ともやの「受験生ブルース」とか岡林信康の「友よ」とか、創成期のフォークを代表する曲はいっぱいあるけれど、その種のアングラフォークは残念ながら、「あの頃の歌」として見られることが多い。つまり懐メロになってしまっている。

 加藤さんが北山修さんと一緒に作った「あの素晴らしい愛をもう一度」とか「白い色は恋人の色」は30年以上前の懐かしいフォークの代表曲でありながら、今でも名曲としての輝きを失っていない。

 その後のニューミュージック、現在のJポップへ連なる柔らかい、おしゃれなサウンドがそこにある。

 そんな大ヒットメーカーでありながら、ミカバンドでの英国進出など、とても大きな試みにさりげなく挑戦し続けた。結婚した3人の女性もみんな素敵な人ばかりで、ミュージシャンの格好良さを体現し続けた、音楽ファン憧れの人だった。

 加藤さんの格好いい生き方と突然の死。

 「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」という早川義夫のアルバムタイトルがふと浮かんだ。

 

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