試練
井川が好投を続けている。
オープン戦3試合を投げ、
8イニングを無失点。
今キャンプは招待選手
(マイナーから数名、メジャーのキャンプに参加)
という立場で参加。状況は昨年と全く違う。
「扱い」が違うのだ。
他投手との兼ね合いで
登板の優先順位が低いため
遠征に行っても、投げないで帰ってきたりする。
立場上仕方ない。
「しょうがないっすよね」
と話す横顔には悔しさがにじむ。
明るく振る舞おうとしても、
心ではやるせない思いでいっぱい。
先日の10日のレッズ戦。
この日の投球は抜群。
厳しいNYのメディアも記事に
取り上げるまではしないが、
うなっていた記者も。
2回を6人パーフェクト。
奪三振は2つ。すべての打者にストライク先行。
いまだ無失点。四球で自滅する姿はどこにもなかった。
登板後には必ず球数をチェック。
1イニングを10球未満で終えることも多い。
それは中継ぎでもメジャーに残りたいと
いう井川の中の意識の変化からだと思う。
10日の試合後、
井川は「ちょっとランクアップしましたね」とほほえんだ。
登板後に首脳陣から今キャンプ初めて次の登板日を伝えられた。
いつもは「わからない」「決まっていない」と
邪険に扱われていたのに。
しかし、現状は厳しい。
それは本人も自覚している。
9日に、招待選手の数名がヤ軍キャンプを離れ、
マイナーキャンプ行きを命じられた。
「1次カット」と言われるもの。
ユニホームやシャツでいっぱいだったロッカーが
空っぽになる様は、見ているこちら側も、
何か虚無感を感じる。
実際、いくら好投が続いても、
ヤンキースの投手陣は充実しており
ロースター25人どころか、
メジャー枠40人に入ることは難しい。
井川も「ギリギリまで残りたい」
とこれまで自分の思いを胸に秘めていることが多かったのに
最近は貪欲(どんよく)な言葉を漏らす。
他のチームにいけば、ローテ入りの可能性も
大きい。実際に先発要員がまったく足りていない
球団だってある。しかし契約上の問題が多く、
移籍話はすんなりいかない。
こちらでは移籍は盛んに行われるのに
メジャーの”溝”にはまって、動けない状態だ。
マイナー選手を報道する場面は、なかなかないため
現状のごく一部しか伝わっていないと思う。
移籍してもう3年目を迎えるが
目の前で井川の投球を見ていて感じるのは
井川はメジャーに通用しなかった・・・と
いう見方はまだ早いのかなと思う。
以上、井川の現状でした。

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