◇梵、打撃フォーム変化で後半戦爆発
8月以降で12本塁打を放つなど、後半戦で爆発した梵。その陰には、開幕時から大きく変化した打撃フォームがあった。構えた時、ひざを曲げ、沈み込むようにしていた両足は、自然な幅と高さに。一塁方向へ突き出していたグリップは体の近くへ。「シンプルにバットが出るように考えた結果」という試行錯誤の結晶だった。
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8月以降で12本塁打を放つなど、後半戦で爆発した梵。その陰には、開幕時から大きく変化した打撃フォームがあった。構えた時、ひざを曲げ、沈み込むようにしていた両足は、自然な幅と高さに。一塁方向へ突き出していたグリップは体の近くへ。「シンプルにバットが出るように考えた結果」という試行錯誤の結晶だった。
【広島7―2ヤクルト】好調の梵が1回に17号2ラン。「チャンスだったので積極的にいった。集中力を切らさないようにしていた」と満足げ。打順が1番から6番に変わった17日の横浜戦から7試合連続安打と、新たな打順がフィットしている様子だった。
24日の成績=左本、二ゴロ、見三振、四球
【お知らせ】梵選手の情報は、9月30日を持ちまして今季の更新を終了します。
16日にAクラス入りの可能性が完全消滅し、カープは”消化試合“に突入した。残りのゲームはモチベーションの維持が難しくなるが「個人的には消化試合なんて思っていない。新聞とかでその文字を目にすることはありますが、そんなことを考えたら絶対にだめ」。梵は144試合を文字通り、最後まで戦い抜くつもりだ。
昨季8本だった梵の本塁打は10日時点で14本になった。プロ2年目のパワーアップの証だが、増えたのはアーチだけではない。昨季、30だった四死球の数は、同じく10日時点で49に大幅アップ。「四球を狙うわけではないが、投手が少しでも意識してくれればいい」と、出塁にこだわる姿勢が数字に表れているようだ。
前田智が通算2000安打を達成した1日は、梵にとっても貴重な経験になった。今季2番目となる2万9541人の観客の期待が渦巻き、異様な緊迫感の中でプレー。「常にああいう状況で100%の力を出せたら自信になるでしょうね。その中でできて光栄でした」と、プロ野球選手みょうりに尽きる一日だった。
梵が「あの時がなければ、現在の自分はないかもしれない」と振り返る大会がある。入団前年の2005年の都市対抗野球。首位打者を獲得し、日産自動車を準優勝へ導いた。残念ながら今回の古巣は出場を逃したが、思い出の大会は9月4日まで東京ドームで開催中。「自分を成長させてくれたチームに感謝したい」と今も心の支えだ。
本拠地・広島市民球場の観客動員数が、昨年よりも増えている。20日までに45試合を戦ったが、合計約73万人で、昨年の同時期の約65万人を上回った。「たくさん応援してくれていますね」と、梵も実感。「勝つことでまた増えてくると思う。とにかくより多く勝ちたい」と、1つでも多く勝ち試合を見せることを誓った。
世間はお盆休み。梵は子どものころのお盆の思い出を「いつもにぎやかでした」と、振り返る。広島・三次市の実家は専法寺という寺のため、お墓参りに訪れる人々の出入りは多く、自宅には親類も多く集まった。今はプロ野球選手として、この時期も試合を戦うが「両親も忙しそうでした」と懐かしそうだった。
1945年8月6日。広島に原爆が投下された日だ。同県の三次市で育った梵は、「小さいころから、8・6、(午前)8時15分には特別な意識があった」。名古屋への移動日だった6日には、テレビの特集番組を見入った。「街がここまで栄えた。その中に、カープというチームがある」プレーできる喜びをかみしめる1日となった。
5カード続いた遠征から本拠地・広島に帰ってきた。待っていたのは気温30度の真夏の暑さ。梵は「暑いのは得意でもないし、好きでもない」と、夏は嫌いな様子。それでも昨年8月、シーズン最高となる3割4分2厘の打率を残した。「水に頼らず、食べ物をとる」と、食事から気をつける背番号6の夏に、今年も期待大だ。
後半戦が開始。プロ2年目の今季は、球宴休みの使い方が大幅に変わった。昨年は完全休養日には遊びに行くこともあったが「走ったり、体を動かしていました」。前半戦は打率2割5分1厘、5本塁打、22打点に終わり「全く満足していない」と、悔しい思いが残っただけに、反撃への気持ちが体を動かした。
【横浜0―11広島】打撃不振に悩んでいた梵が、今季チーム最多タイの11点を奪った打線のけん引役。一発を含む3安打2打点だ。「いい結果がいい薬になる。苦しんだ分、それ以上の喜びがありますね。(チームは土俵際も)まだ先がある。チームの1番なので、何とかしたい」プレーオフ進出へ、その目にあきらめの色はないようだ。
17日の成績=中安打、中安打、左本、二ゴロ、右飛、空三振
梵の通算安打数が200を突破した。13日の巨人戦(東京ドーム)で今季70本目を放ち、昨年の130本と合わせて到達。プロ2年目、出場195試合目での達成は、自身がこだわる「1試合1本」を上回るペースだ。「やるからには、1本より2本、2本より3本。どんどん積み重ねたい」と、さらなる加速を誓った。
梵は足下にこだわっている。ユニホームのズボンをひざまでたくし上げ、赤いストッキングを見せる着こなしは、足が少しでも速く見えるようにするための工夫だ。「社会人の時に、先輩に言われたことを実行しているんです」本を読んで走法の研究を行うなど、スピードへの執着心がグラウンドで生かされている。
年に一度の福井遠征。当地の有名な地酒に「梵(ぼん)」がある。福井駅を降りると、大きく「梵」と書かれた看板が目に飛び込んでくるが、「初めてではないので、驚きはなかったです」と、本人はその存在を知っていた。昨年、銘酒を口にする機会もあり「飲みやすくておいしかったです」と、味にも満足したことを明かした。
左ひざ半月板損傷のため、最近4試合、先発から外れた梵が完全復活へ闘志を燃やした。広島市民球場で、1時間の守備練習を含むフルメニューを消化。「ベンチではモヤモヤした気持ちもある。1軍にいる限りは出ないといけない」。テーピングを巻いた姿は痛々しいが、出場への意欲が痛みに勝っているようだ。
梵はパパとして初めての父の日を迎えた。昨年12月、第1子となる男の子が誕生。当日の17日はグッドウィルドームへ遠征中だったこともあり「特に変わったことはないですよ」と、実感はあまりなかったが「みんなが元気に過ごしていることが一番です」と、家内安全をあらためて祈願する一日となった。
梵が移動中、メガネをかけていた。目が悪いのかと思ったら、「目はいいです。だてメガネです」とニッコリ。メガネのみならず、ファッション全般に興味があり、雑誌などでこまめに情報を仕入れているそう。休日には買い物に出かけることも多い。「気分転換になりますね」普段着の梵くんはオシャレです。
梵が「ニーヨ」にはまっている。Ne―Yo(ニーヨ)とは、ラスベガス出身のR&Bシンガー・ソングライター。最近のお気に入りの音楽を尋ねると「ニーヨ。N、E、Y、Oです。テンポがいいですよ」と、丁寧に教えてくれた。学生時代には自らギターも手にしていた音楽好きだけに、さすがに詳しいです。
年間144試合を戦い抜くには、時には休む勇気も必要だ。チームは広島市民球場で練習を行ったが、監督から選択権を与えられた梵はグラウンドに姿を見せず、完全休養をとった。ブラウン監督は「長いシーズンではこういう日も必要」と強調。翌日からの試合でのパフォーマンスを考えれば、休息も大きな仕事の一つだ。
梵が独特の交流戦対策を考えている。パ・リーグのチームとの試合には仙台、札幌などへの長距離移動をともなう遠征がつきものだが、「移動は好きではないです」と、歓迎していない。転戦で疲れがたまると、極端に食事量が落ちる悪い癖がある。「しっかり意識して食べないとね」交流戦のカギは食にあるようだ。
【広島6―1阪神】梵が日産自動車の後輩、青木高のプロ初勝利をアシストした。1回に左前打で出塁し、送りバントで二進、三盗。投手の動揺を誘う抜け目のない走塁で、前田智の2点先制タイムリーへ見事につなげた。
梵が1歳年上で、青木高が入団間もないころから食事に誘い、プロ生活の心得をアドバイス。それだけに「おめでとうという気持ちでいっぱいです」とうれしそう。
1980年生まれの梵は、レッドソックスの松坂と同い年。昨年の交流戦期間中には食事をともにするなど親交もあり「同じ野球人として、ニュースを目にするたび刺激を受ける」と、動向を気にしている。環境の変化の中でも「しっかり勝っているのはすごい」と、この日初完投勝利を挙げた同級生に感心していた。
【横浜6―10広島】梵が8回1死二塁から左翼席へ2号2ラン&猛打賞も。「最後まで集中して、そして勝てたのは大きい」と、勝利に笑顔。
13日の成績=二ゴロ、三ゴロ、右中2、左安打、左本
北京五輪アジア予選の日本代表第1次候補に選ばれた梵が、一夜明けて、改めてその重みをかみしめた。「名前が挙がったということで、野球に興味ある人は、そういう目で見るということですからね」新聞には選考された全選手のリストが載った。代表候補にふさわしいプレーをする―新たなモチベーションが加わった。
野球日本代表の第1次代表候補に選ばれ、「自分の名前を出していただいたことはとても光栄なこと。今はペナント中なので何とも言えないが、今やるべきことをしっかりやっていくだけ」
梵が開幕から無失策で4月を終えた。プロ1年目の昨季は同じ時点で3つ。「評価できますね」と、合格点をつけた。不動の遊撃手として、グラブさばきの安定感は抜群。プレーには余裕すら感じさせるが「全く落ち着いてないです。落ち着いたふりをしているだけです」と、実は平静を装うのに必死?
大の音楽好きの梵にとって、遠征に欠かせないアイテムが2つある。移動の際にはヘッドホンステレオ、宿舎ではパソコンだ。どちらにも、洋楽、邦楽問わず約200曲を収録。11泊12日の遠征中だが、「音楽さえあれば、テレビとかもいらないです」と、耳に届くメロディーが、いつも心をいやしてくれる。
普段は酒をあまり口にしない梵が、飲むのを楽しみに待つビールの存在を明かした。地元の広島県・三次市の三次麦酒会社が、4月初旬に応援のためにビールを発売。ラベルに「英心」の文字と背番号「6」入り。「やっぱり自分の名前が書いてあると、全然違うものですよ」と食卓に並べたながめは格別だ。
梵が春の思い出を懐かしんだ。広島市内の自宅から、桜がきれいに見えるのだという。「入学式とか、新しい学期の始まりとかを思い出しますね」広島県三次市の実家近くには、きれいな桜の咲く公園があり「常に桜の見える環境で育ってきましたね」と、いつも周囲の自然が春の訪れを感じさせてくれたそうだ。
梵が意外なところに目をつけていた。「お客さんの中にも、背番号6のユニホームを着てくれている人がいるんですよね」今季から背番号が32から6に変更。新しいシーズンが開幕したことは、客席からも伝わってきた。「これからもどんどん増えていってくれたらうれしいです」入団2年目の今季も暴れます。
(そよぎ えいしん)
生年月日 1980年10月11日
満年齢 27歳
出身 広島
身長173cm、体重70kg
投打 右右
球歴 三次高-駒大-日産自動車(05年ドラフト大学・社会人3巡目)、2年目
甲子園歴
獲得タイトル 新人王
血液型 B型
年俸(推定) 3200万
家族 妻と1男
愛車 Jeep
寸評 遊撃手の定位置を確保し、新人王を獲得。背番号を6に変更し、心機一転。3割を狙う
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