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2017年9月 1日 (金)

隣のレジェンド 恩師の励まし

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 年を重ねてもレースに出場する元気なランナーを紹介する新連載「隣のレジェンド」を、今週から毎週金曜日に掲載します。同名の企画は2015年末から翌16年2月まで掲載しており、今回はその第2弾。第1回は昨年からマスターズ陸上への挑戦を始めた寺地弘志さん(74)=奈良・生駒郡=が登場します。

 中学校時代から、ずっと走り続けてきた寺地さん。73歳になった昨年から、マスターズ陸上に参戦している。
 今年4月の奈良県大会は、5000メートルを23分41秒で走り、M70クラス(70~74歳)を制した。「トラックは本当に緊張する。若い人と同時スタートだから周回遅れになる。昔はよっぽどのことがないと周回遅れにはならず、違和感が大きかった。でも、75歳になったら近畿大会に挑戦したいな」という。
 岡山県西部の井原市で生まれ育った。中学はバレーボール部ながら、校内マラソン大会で活躍。3年時には優勝し、高校は隣県・広島の陸上競技の名門校に進学した。1年終了時には同期16人中4番手まで成長したが、2年になると突然、スランプに。思い悩み、退部覚悟で監督の教師に相談すると「調子が悪くても、いつも後ろを走っているやつらより速いじゃないか」と諭された。その一方、「走ることはいつでもできる。今はマネジャーをやってみないか」と思わぬ誘いを受けた。考え抜いた結果、2、3年はマネジャー業に専念。それが大きな転機となり支えとなった。
 高校卒業後、大阪でサラリーマン生活が始まり、仕事の合間に走り込んだ。1964年の東京五輪後の不景気に見舞われ勤務先の会社が倒産、会社更生法に基づく再建、自身の結婚と環境はめまぐるしく変わったが、走ることは辞めなかった。そんな中、寝屋川市民マラソン大会で優勝し、「まだいける、頑張ろう」と前向きになれた。
 奈良県に転居後は、地元のラン仲間と王寺ランナーズクラブ(RC)を立ち上げ。同クラブは今年1月で創立37周年を迎え、関西屈指の「老舗」となった。フルマラソンは100回近く完走し、リタイアは1度もない。還暦祝いに出場した長野マラソンは3時間16分23秒の好記録をマークし、60歳以上の部で6位入賞を果たした。
 「高校の陸上部でマネジャーになって全体を見ることを学んだ。大きいことから細かいことまでを見渡し、それが仕事やランに生かせてる。辞めようとした私を踏みとどまらせてくれた恩師には『何事もあきらめるな、人生を頑張って生きていけ』というメッセージをもらいました」
 会社を定年退職後は職業訓練所で6か月、木工技術を研修し、奈良県内の工務店に再就職。現在は月曜から金曜まで働き、日曜は子ども向けの木工教室で講師を務めている。
 「今も忙しく、月間走行距離は100キロぐらい。それでも週2回はクラブの定例会に行って、楽しく会話しながら走ってます。衰えはあるけど、高校の時に十分できなかったトラック競技に打ち込める喜びが大きいなあ」。70代中盤、寺地さんのランニングライフが輝きを増している。
 ◆寺地 弘志(てらち・ひろし)1943年4月2日、岡山・井原市生まれ。フルのベスト記録は3時間9分(98年、山陽)。167センチ、54キロ。血液型A。
 写真=今年8月、王寺RC主催の2時間走に参加した寺地さん(右)

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