映画「ポチの告白」
先日、新宿の「K’s cinema」で警察犯罪の実態を描いた問題作「ポチの告白」(高橋玄監督)を観てきました。拳銃、実弾のやらせ押収事件など日本の警察犯罪の実例を基に、良識ある実直な警官が警察の組織犯罪に巻き込まれ、自滅するまでを描いた社会派作品です。
この作品が完成したのは2005年だそうですから上映にこぎつくまでには3年以上かかったことになります。やはりテーマがタブー視されている警察犯罪ですから、映画館側が敬遠しがちだったという経緯もあるようです。その構図は昨年物議を醸した中国人監督による映画「靖国」と似ているかもしれません。
映画の原案者は警察の組織犯罪を追及しているジャーナリストの寺澤有氏で、作品の中にも裁判所職員として登場します。あらすじについてはここでは触れませんが、ここまでつぶさに警察の暗部に照射した映画はこれまでになかったのではないでしょうか。
ユニークな配役も見どころのひとつ。反警察の立場に立つ作家の宮崎学氏が、警察幹部にゆすられて警察犯罪隠蔽に加担する裁判長役を演じています。これは見事なブラックジョークですね。
そして警察犯罪を生み出す批判の対象は、記者クラブ制度に依存し、警察犯罪を真っ向から報道できないマスコミに対しても向けられています。
マスメディアの末端で働く記者の一人として、自分自身にも関係のはない話ではありません。私自身も何者かにとっての「ポチ」なのかもしれません。
何かをすぐに変えることはできない。それでもせめて現実を自覚をしていたい。そう思わされる作品でした。



コメント