「さよならの扉」
社会経験のない本妻と、仕事ができる独身OLである夫の愛人(ともに40代)が、夫の死をきっかけに対面。奇妙な出会い方をした2人の女性の交流を描いた小説です。
夫は死ぬ間際、愛人の名前と電話番号を書いたメモを妻に渡します。
「隠したまま、逝きたくない。自分のことは許さなくてもいいが、彼女のことは恨まないでやってほしい・・・」。末期ガンの50代の夫は、そんなことを妻に言い残して死にます。
そして妻と愛人の奇妙な出会い。
私には妻が夫の愛人の携帯に電話をかける心理は正直言って良く分からなかったけど、書き手の腕の見せどころは、女性2人の心理描写なのでしょうね。価値観が全く違う2人は、やり取りがかみ合わない。大事な人の死後の話のはずなのに、その辺にユーモラスな雰囲気を漂わせています。
著者の平安寿子さんは、アン・タイラーという米国作家の影響で小説を書き始めたそうですが、高校時代にはロシア文学、特にドストエフスキーにはまっていたそうです。
私は、海外小説はほとんど読みませんが、唯一学生時代に一生懸命読んだのはドストエフスキーの作品でした。
第2外国語で取ったロシア語の先生が、ロシア文学者の箕浦達二先生だったのですが、この先生の影響ですね。大学1年の春(1990年3月)、先生を囲んでクラスメートとシベリア鉄道に乗ってソ連旅行をした思い出があります。「罪と罰」の題材になったラスコリニコフのアパートにも連れて行ってもらい、一気に作品に興味が沸きました。卒業から17年たった今でも、交流がある大学時代の教授は箕浦先生だけですね。
平さんもシベリア鉄道に乗って、ペトログラードまで行き、同じ場所を訪れたことがあるそうで、親近感が沸きました。
ロシア文学の影響が濃く反映された作品も書かれているのなら、そちらも読んでみたいと思います。


先輩どうも。佐瀬稔さんは報知新聞の大先輩記者ですよ。ボクシングと山岳のノンフィクションで素晴らしい作品が多く、入社前に憧れていたライターでした。残念ながら私が入社した3年目に亡くなってしまったので、結局一度もお会いすることができなかったのが心残りです。「喪われた岩壁」はもちろん読みました。森田必勝さんや山田昇さんを描いた作品も読みましたよ。
長尾三郎さんは植村さんの「マッキンリーに死す」を書いてますね。「サハラに死す」は面白いですか?
最近山の本は読んでいません。①山の本を読む→②山に行きたくなる→③でも仕事でいけない→④ストレスが溜まる。つまり悪循環の発端となるからです・・・。
竹内さんは5月20日、ローツェにアタックしますよ。
投稿: 筆者 | 2009年5月18日 (月) 16:24
相変わらず堅いテーマだな、まぁ報知新聞の看板背負っているから無理もないけど・・・。
私が学生時代に感銘を受けたのは、多分知っていると思うが、「サハラに死す‐上温湯隆の一生‐(長尾三郎著)」と「喪われた岩壁‐第2次RCCの青春群像‐(佐瀬稔著)」
特に後者は、戦後から昭和30年代にかけて、岩壁登攀に命を賭けて突っ走った若いクライマー達の青春物語です。実力的には彼らにとても及びませんが、気持ちだけは負けじと山に登ったものです。あぁ~あの頃に戻りたい・・・。
読んでいなかったら是非一読を・・・。
投稿: nagakubo. | 2009年5月17日 (日) 20:14