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2017年5月 1日 (月)

野口健さんがGW中の登山に警鐘

 大型連休は雪山登山ラストシーズンですが、残念なことに毎年滑落、雪崩などの遭難事故が相次ぎ、すでに今年も白馬岳などで発生しています。事故のリスクを避けて雪山を楽しむための心得をアルピニストの野口健さんに伺いました。昨年の熊本地震では「テント村」の開設に取り組んだ野口さんの災害で生き延びる力はアウトドアで養われるという意見は、私もなるほど、と思いました。

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 長期休暇が取りにくい日本人にとってはゴールデンウィークは雪山登山を楽しめる数少ないチャンスです。だから多くの登山客が集まるわけですが、山に来て危険な状態であることを感じても、なかなか「延期してまた来ればいい」という判断がしにくい。「ちょっと危なそうだけど、まあ大丈夫だろう」と思って行ってしまう。事故はそういう時に起きるんです。


 3月に起きた那須岳の雪崩事故の原因は、まだ調査中ではっきりしたことは言えませんが、一般的には入山すると「せっかく来たんだから」とイケイケムードになりがちです。僕も4月に八ヶ岳を縦走したのですが、一か所、ルート上から雪崩がいかにも発生しそうな状態のところがありました。その距離は短いので「一気に降っちゃおう」と頭の中を過ぎりましたが、一瞬で命を奪われる恐れもある。結局はルートを変更して遠回りしました。


 そもそも積雪期登山で100%安全ということはありません。那須での事故後の記者会見では山岳部顧問の先生が「絶対に安全と判断した」と釈明していましたが、「絶対に安全」と思っていたから起きてしまった事故のように思います。行く以上は「雪崩が起こるもの」という真実が前提となります。だからと言って無闇に雪山の登山を「禁止」とすることには反対です。原因を究明して危機的状況を回避する方法を学ぶべきです。


 僕は昨年の熊本大地震でテント村の開設に取り組みましたが、防災は「次世代の人を死なせない」ことだと学びました。災害に見舞われた後で、生きのびる力を磨いていくためは、アウトドアを楽しんだ経験が必ず生きてくると思います。たとえば屋外で寒くなったとき、どうすれば凍死を避けられるか。危機的な状況での冷静な判断力はアウトドア経験で培われるんです。


 連休中の銀世界の山々はものすごく魅力的です。判断に迷った時は山小屋の主人の話をよく聞いてください。彼らはその地域の山のことを知り尽くしていますから。山小屋で「登るのを止めたほうがいい」と言われたら止めることです。ヘリで遺体が収容された後で、山小屋の主人が「あの時、止めたのに…」と悔やむことはよくある話です。(談)

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甲斐毅彦

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