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2009年8月30日 (日)

倉石功夫人に魅せられて

 俳優の倉石功夫妻がテレビ東京系の旅番組「大自然の絶景スペシャル…穴場・秘湯の一軒宿」(8月29日放送)に出演。群馬県の沢渡温泉で昼食に「よしのやそば」を食べ、近くの養蚕農家で「天蚕」を見学、たんげ温泉「美郷館」に泊まって渓流をながめながら湯浴みを堪能していた。

 ありきたりの旅番組なのに見入ってしまったのは、65歳になった「ミスター平凡」「大映ニューフェース」「ザ・ガードマン」に寄り添う、5歳年下の秀子夫人の存在だ。落ち着いた品のある和風美人で、183センチの夫にふさわしい長身。所作も“素人”とは思えず、舞台女優かと気になった。

 ネットで調べてみると同じように感じていた人が多かったようで、評判上々、様々な書き込みがあった。だが、夫人がどういう経歴の持ち主か正解が見あたらない。それなら報知新聞社が誇る資料室で調べるしかない。横浜市内の小学校で歴史的衆院選の投票(入口に行列ができていた!)をすませたあと出社して記事資料をあたった。ありました。

 秀子夫人は東京・世田谷にあった高級料亭の長女。東横学園短大を卒業し、1974年3月3日、24歳のとき倉石とホテルオークラで挙式している。「ザ・ガードマン」のキャップ・宇津井健の口利きによる見合い結婚だった。料亭に育ち、培った所作、物腰。旅の宿で夫を立てながら自然にふるまえるのも納得です。夫妻の次回出演が待ち遠しい。

 食べるつながりから映画「南極料理人」。109シネマズMM横浜で鑑賞した。平日午後とあって入りは3分の1程度。年配組と堺雅人ファンらしき若い女性に分かれていた。原作者で南極越冬を2度経験した西村淳さんと知り合いだという縁は何度も書いた。映画化されたとなると、身内気分で客席の反応が気になってくる。笑い声が聞こえるとうれしいものだ。隣の愚妻は伊勢エビのエビフライ!?シーンでスイッチが入ってしまった。

 特に物語があるわけでなく、強引に笑わせようとする意図も希薄。クスクス、クスクスが漏れれば作り手側は満足だろう。ときにギスギスしてくる隊員8人の単調な毎日を救ってくれるのが食事。映画を見終えてラーメン屋に駆け込んだ観客もいたに違いない。

 報知の同僚に西村ファンがいて、もちろん鑑賞済みだったが、彼が挙げた不満理由には驚いた。「あれじゃ、大原鉄工所が悲しむよ」。何、それ、である。聞けば映画に登場する雪上車がチープ過ぎると言う。

 何でも、その鉄工所は日本唯一の雪上車メーカー。スキー場のゲレンデから自衛隊用、もちろん南極観測用にも車両を提供しているのだそうだ。確かに同社のホームページにもそうある。それならいいはずだが、彼は「映画に出てくる雪上車では平均気温マイナス54度の極寒地、南極のドーム基地では役に立たない」と言い張る。せいぜいゲレンデ用だとか。そうかなあ。ホームページの南極観測用「SM100S型」そっくりに見えたが。

 大原鉄工所の社員で映画を見た人を探せば真偽は判明するだろうが、そこまでしなくてもいい。隊員たちが働くシーンは元々カット。ロケ地は南極ではなく北海道・網走。ならば、極地用ではなくゲレンデ用でも。主役はあくまで料理、食材、レシピなのだから。

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高尾 友行

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