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2012年11月21日 (水)

忘れられない宮史郎さんの映画

 19日に亡くなった宮史郎さんの訃報で、真っ先に思い出したのは、短編オムニバス映画「歌謡曲だよ、人生は」だった。宮さんは、その中の「女のみち」(三原光尋監督)に主演していた。訃報の時だと言うのに申し訳ないが、その映画のシーンを回想し、おかしみがこみ上げ、ほおが緩んでしまった。映画館で見たとき、ここに収められた全作が力作だと思った。でも5年前の公開時はお客さんの入りが少なく、作っている人が気の毒になったことまで思い出した。

 宮さん演じるヤクザの男は、太い金のネックレスをつけ、背中だけでなく腕や胸元にまで入れ墨をした状態でサウナに入ってくる。先客の若者(久野雅弘)は目が点になり、出るに出られない状態に陥る。そこには2人だけ。極道の男は「女のみち」を気持ちよさ気に歌い始めるが、♪すがって泣いた~の次の歌詞を、何度歌っても思い出せない。そこでその若者に一緒に思い出すことを強要する。

 ゆでダコ寸前で逃げ出そうとするのを「アホんだら~、ぶっ殺されたいんか」とどやしつけたかと思うと、なぜここまでこの歌に執着するのかを説明し始める。今日は、6年間服役したときに週2回の面会を欠かさなかった恋人の誕生日。その女を祝うために絶対に歌ってやりたいのだと明かす。話に感動した若者はもうろうとしながらも、全面協力を決意する。そのとき、粗野なヤクザは、大きなおならを放つ。高温の密室に充満する耐え難いにおい。若者はのけ反り、おう吐しかけ、うめき声を上げる。

 「う、う…」そのとき、♪うぶな~の歌詞を若者が思いだす。
サウナから出ると、脱衣場にはバスタオルを巻いた半裸状態のおばあちゃん、おじいちゃんがいっぱい。その人たちが見守る中、空の牛乳瓶をマイク代わりにした宮さんが「女のみち」を大熱唱。時間にすればわずか10数分の短編だった。死去の翌日、もう一度見たくなってレンタルビデオ店で借りた。本人も自分のヒット曲で、まさかこのような映画で主演するとは思ってもみなかっただろう。演技に不思議な味わいもあって今回も大笑いさせてもらった。落ち込んだ時などに、気分転換にまたこれを見て、元気をもらおうと思った。

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