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2017年3月22日 (水)

鬼の町のセクシーパワースポット

 今月の旅は愛媛県の南予地方。前回(2015年の8月)は内子町や佐多岬半島、そして八幡浜市で取材したが、今回はさらに南の宇和島市と内陸部へ入った鬼北(きほく)町を取材した。愛媛県の取材では毎回お世話になっているアジア・フィルム・ネットワークの車で宇和島市から鬼北町へ入り、国道320号を走っていると、とんでもない光景に出くわした。それは。

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 それは同町永野市の道の駅「森の三角ぼうし」へ寄った時だった。名前の通り三角帽子のような円形の屋根の手前に、巨大な鬼のモニュメントがあった。右手で金棒を押さえ、左手を突き上げた勇ましいポーズ。全身真っ赤で、眉は太く、頭部には立派な角。そして人間を威圧する形相。ちょうど幼い女の子がお母さんに連れられてモニュメントの前まで来たが、鬼の顔を見た途端に泣き出した。

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 このモニュメントは「鬼王丸(おにおうまる)」と名付けられていて、2015年2月に町の予算で製作され、町の入り口とも言えるこの道の駅に設置されたという。フィギュアで有名な海洋堂が製作。台座を除いて高さ5メートルもある。
 台座の石碑に刻まれた説明では、同町は2005年1月1日に広見町と日吉村が合併。鬼ヶ城山の北の盆地にあるので鬼北町と名付けたところ、全国で「鬼」が付く唯一の自治体となった。そこで「鬼」を前面に打ち出すため、このモニュメントが製作されたが、効果は絶大で、道の駅の年間入り込み客が3万人増えたという。

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 台座には1円、5円、10円の硬貨が置かれていた。さい銭のようだ。説明文を最後まで読んでびっくり。鬼王丸はその存在感と人智を超えた能力で「学業成就」「恋愛成就」「金運アップ」の願いを叶えてくれると書かれていた。まだ誕生して2年で、強化プラスチック製のモニュメントだが、すでにパワースポットになっていた。
 さて、同町には道の駅が2か所ある。「森の三角ぼうし」から東へ走ること約25分。「日吉夢産地」にも鬼王丸と同じくらい大きなモニュメントがあった。しかし、こちらは趣が全く違う。その姿は赤ちゃんを抱いた女性で、虎の皮で作った着物のような衣装だが、超ミニだ。同町の特産品ユズにちなんで「柚鬼媛(ゆきひめ)」と名付けられていて、鬼王丸のお母さんという。つまり抱かれている赤ちゃんは鬼王丸で解説文の表題は「母子鬼誕生」となっていた。

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 昨年12月に登場した当時、アニメ「うる星やつら」のラムちゃんに似ていると話題になったが、顔をよくみると柚鬼媛は和風の顔立ちで、ラムちゃんとはちょっと違う。それでも萌系の見事な造形。こちらは「家内安全」「縁結び」「安産祈願」の御利益が書かれていた。すでに経済効果もあって、今年のお正月には来店者数が倍に増えたという。セクシーなパワースポット誕生だ。

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 ちなみに鬼王丸の肩にとまっているのはキジで、柚鬼媛の肩にはそのヒナがいた。キジは同町が飼育している特産品で、夢産地のお食事処のメニューには「キジ丼」があった。モニュメントは2体とも夜間はライトアップされるという。道の駅の営業はともに夕方までなので、それ以降の時間帯は、暗闇の中にこの姿が浮かび上がるのだろう。怖い? いや幻想的だろう。(2017年3月22日、文と写真・鬼塚 静信)

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