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2011年9月26日 (月)

【再録】「加藤が見た」西口の今を「晩節」と呼ぶには早過ぎる

 9月19日の紙面に掲載されたコラムです。18日、西武ドームで行われた西武・楽天戦で西口投手は完投勝利を挙げ、チームを4連勝に導きます。躍動感あふれるフォームはただただ美しく、魅せられました。

 オスのライオンが野生で15年以上生きる例は、まれだという。縄張りを巡り、他のライオンとの争いが絶えないからだ。常に満身創痍。秋風が吹いてきたプロ野球界の生存競争にも、相通じるものがある。

 サヨナラ勝ちの興奮に満たされたフィールド。プロ17年目の西口が大歓声に後押しされ、お立ち台に上がった。

 「完投しました!」

 8月28日の日本ハム戦(西武D)で完封し、更新していた「102試合連続完投なし」の日本記録に終止符を打ったばかり。それが、またも9回を投げ抜き「若ぶっているだけです」と38歳は笑った。5安打1失点の力投で9勝目、6年ぶりの2ケタ勝利に王手だ。5三振を奪い、通算2000奪三振も残り9に迫った。自身6連勝でチームも4連勝。4位・楽天とはゲーム差なしになった。

 記者室から見た西口は、若々しかった。フォームは躍動感にあふれ、果敢にストライクゾーンで勝負した。中盤からフォークが切れ、尻上がりに調子を上げた。8回2死、山崎との対決は圧巻だった。3球勝負を挑み、143キロの外角低めストレートで見逃し三振に斬った。直球のMAXは9回2死三塁のピンチ、嶋への131球目で計時した144キロ。心身のスタミナには、ただただ驚かされる。

 若獅子が切磋琢磨するレオ投手陣にとって、西口は生きた教科書だ。雄星は感謝する。

 「自分がガムシャラに投げて打たれると、アドバイスをくれるんです。『俺も昔はそうだった。今度はうまく打者の反応を見て投げるといいかもね』って」

 新人・牧田が初勝利した夜、一緒に食事したのも西口だった。

 「参考になるのはメリハリ。球場外では年の差関係なく、ラフに付き合って下さるのに、マウンド上では目つきが変わりますから」

 『虎は死して皮を残す』と言われる。西武黄金期を知るアラフォーの獅子もまた、熱投で後進に何かを伝えようとしている。

 「向かっていく気持ちで投げた」と通算175勝目を挙げた38歳。秋風なんて関係ない。西口の今を晩節と呼ぶには、まだ早過ぎる。

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