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2011年9月25日 (日)

【再録】斎藤番記者コラム「ひそかに狙う、撮る側への転身」

 読者のみなさま、紙面ではいつもお世話になっております。ウェブ上では、ご無沙汰しています。空きすぎて、反省しています。アマ野球担当キャップをしていた昨年は、ブログを通じて大勢の読者の方々とコミュニケーションを取ることができ、様々なご意見を頂くことで、紙面制作にも反映することができました。もう一度、原点に立ち返り、日々の取材から気づいたことを綴っていこうと思います。どうぞよろしくお願いします。とりあえず、ここ3ヶ月に紙面掲載された記者コラムを再録しますので、ご一読下さい。まずは7月17日の日本ハム・西武戦(札幌ドーム)で3勝目を挙げた斎藤佑樹投手についてのコラム。この日は5回4安打無失点の快投でした。

 札幌ドームの客席から放たれるフラッシュの嵐は、すさまじかった。試合後のヒーローインタビュー。被写体はもちろん、お立ち台に上がった斎藤だ。「北海道祭り」の最終日を締めくくった18番を撮ろうと、360度からシャッターが押された。

 そんな光景を見ながら、しみじみ思った。この若者は、“時の人”と化した2006年の夏から5年間ずっと、カメラに追われているのだなあ、と。早大時代、外食して寮に戻ると、門の前には写真週刊誌のカメラマンが張っていた―なんてことも日常だったと聞く。普通なら“写真嫌い”になってもおかしくないだろう。

 だが、実態は違った。撮られる側から、撮る側への転身をひそかに狙っている。先日、こんな話を聞かせてくれた。

 「自分、夢があるんです。50歳ぐらいまで、めいっぱい働いて、そこから余生を過ごす。カメラを持って、世界各地を回りたいんです。見たことのない、いろんな風景があるじゃないですか。それを撮影したいんです」

 7月上旬には国分寺駅前の量販店にこっそり出掛け、カメラ売り場で一眼レフを物色した。遠征時にはバッグにデジカメをしのばせ、何気ない風景にシャッターを押すこともある。「カメラだったら、野球をやりながらでも趣味にできそうですよね」と笑った。

 この日、最も“いい顔”をしたのは、5回2死一塁のピンチだった。18.44メートル先にはパ最強打者・中村剛也がいた。フルカウント、心臓バクバクの場面。鶴岡のサインを確認し、投球動作に入る時、表情が変わった。燃え立つ闘争心を制御し、涼しい顔で全身に力を込める。右腕を振り下ろした直後、渾身のスライダーにおかわり君のバットは空を切った。

 さあ、球宴。セの超一流と対峙した18番は、どんな被写体になるのだろうか。斎藤佑樹にしか出せない“色”で、鮮やかな紙面を作りたい。

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