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2011年9月26日 (月)

【再録】「加藤が見た」武田勝に見る社会人出身の“底力”

 9月14日の日本ハム・ロッテ戦(東京ドーム)で、3年連続2ケタ勝利となる10勝目を挙げた武田勝投手についてのコラムです。ネット裏の記者席からマウンド上のタケちゃんを見つめていたら、シダックスの赤いユニホームで奮投していた頃を思い出し、原稿を書いてみました。

 アマ野球オタクにとって、夏の終わりの東京ドームといえば、都市対抗の季節である。今年は震災の影響で電力事情に考慮し、10月22日から京セラドーム大阪で開催される。プロ注目の逸材にとって、12球団のスカウトが集結するだけに、最高のアピールの場だったはずなのだが、ドラフト会議は10月27日。指名を見極める場としては、遅すぎる。各紙とも社会人野球の記事は少なく、マニアには寂しい初秋になった。

 この日、継投した武田勝、増井、武田久は大卒(3人とも“戦国東都”の出身)だが、それぞれシダックス、東芝、日本通運でレベルアップした社会人育ち。都市対抗で1球の怖さを学んだ。中でも武田勝は野村克也監督との出会いで、急成長した。

 日本ハムのエース左腕としてローテを守り続ける。それってかなりのプレッシャーでしょ?と聞くと、こう答えるのだった。

 「いや。社会人の時に比べれば全然、プロで重圧は感じたことはない。だって、社会人は負けたら全てが終わっちゃうんだよ。会社のメンツを懸けて、マウンドに立つわけだから」

 都市対抗の登板前には、吐き気を催すこともあったという。

 ロッテ相手に7回8安打1失点の粘投。節目の10勝目は実に38日ぶりの白星になった。3年連続2ケタ勝利は一流の証明。復活の舞台は当時、魂を燃やした東京Dのマウンドだ。6回以外は得点圏に走者を置く苦しい投球だったが、冷静にボールを低めに投じ、凡打の山を築いた。

 「ヒットを何本打たれてもいいから、攻める気持ちで腕を振った」

 派手さはない。でも、社会人野球には確かな育成能力がある。巨人でも内海や長野らが、負けたら終わりの一発勝負で腕を磨いた。社会人育ちの勝負強さは、侮れない。

 試合後の会見が行われた東京Dの通路は節電のため、暗かった。武田勝は報道陣に言った。

 「ここ、暗過ぎません? メモ、とりにくくないですか?」

 この気遣いも、社会人出身ならでは―と感心した。

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