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2011年9月26日 (月)

【再録】斎藤番記者コラム「元捕手監督からの巣立ち」

 9月17日の紙面に掲載されたコラムです。16日、ヤフードームでのソフトバンク・日本ハム戦で先発した斎藤は、5回4失点でKO。梨田監督が退任を発表してから初マウンドでしたが、白星を挙げることはできませんでした。打線も2安打で完封負け。そういや斎藤が先発した最近4試合、日本ハム打線の合計得点はわずか「3」です。援護に恵まれないマウンドが続いています。

 「梨田監督も、すごくいい監督ですよ」―。

 斎藤が珍しく語気を強めた。

 7月上旬。西武の大石も交え、食事に行く機会があった。その数日前、2軍暮らしが続く大石について、わたしは渡辺久信監督と話をしたばかりだった。「将来はエースになって欲しい男。だから中途半端な状態で使いたくない。でも、すごく期待しているんだ」。その言葉を大石に伝えると意気に感じた様子で「早く1軍で使ってもらえるように頑張らなければ」と語った。

 すると、隣の席の斎藤から、冒頭の言葉が飛び出た。梨田監督への偽りのない純粋な思いが、妙に印象に残っている。

 早実・和泉実監督、早大・応武篤良前監督、そして梨田監督。斎藤が指導を受けた3人の指揮官には、共通項がある。

 現役時代は全員、捕手だった。

 捕手型人間のキャラクターといえば、タフで粘り強く、観察力、洞察力に優れ、目配り、気配りができることが挙げられる。2006年夏の甲子園を境に、想定外に特別な存在となってしまった斎藤の立場を十分理解し、“好リード”してきた指導者ばかりだ。

 かつて楽天担当記者だった頃、野村克也さんからこんな話を聞いたことがある。

 「投手は『絶対抑えてやる』というプラス思考。捕手は危機管理で用心深いマイナス思考。プラスとマイナスだから、バッテリーになるんや」

 斎藤はマー君に投げ負けても、「この差は決して大きくない」と言い切るほど完全なプラス思考だ。来季、日本ハムの監督に捕手出身者が就任する可能性は、極めて小さい。

 これまでの3人のような“好リード”はなくなるのだろうか。慕っていた梨田監督が去り、プロ2年目は、真の独り立ちが求められるシーズンになる。

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