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2011年9月25日 (日)

【再録】斎藤番記者コラム「四球減の裏に武田勝の“直言”」

 続いて8月21日掲載の本紙番記者コラムから。8月20日、日本ハム・斎藤佑樹がオリックス戦に先発し、5回7安打無失点で4勝目を挙げた時の原稿です。ちょうどこの日、甲子園では日大三と光星学院が決勝を争っていたんですね。わずか1ヶ月ちょい前なのに、随分、過去の出来事のように思えます。

 書き上げた原稿について、デスクからの厳しい指摘に、ついついムカついてしまう自分がいる。球場から焼き鳥店へと直行し、ヤケ酒をあおるも、一晩たつと「もっともだな」と納得するのだった。

 そんな時、かつて番記者だった頃に聞いた野村克也さん(現楽天名誉監督)の言葉が、決まって脳裏に浮かぶ。

 「人間3人の友を持てってな。原理原則を教えてくれる人、師と仰ぐ人、直言してくれる人や」

 ふと考えた。チームで斎藤に直言してくれる人は、いるのだろうか? 黄金ルーキーだからって「チョウよ花よ」と過保護に扱われてはいないか?

 それは杞憂だった。防御率1・54を誇る技巧派左腕・武田勝が、こっそり明かしてくれた。

 「オレは斎藤に厳しく言うようにしているんだよね。一度だけ聞いたことって結構忘れちゃうから、しつこく何度でも言おうと思っている。野村監督がそうだったから」。シダックス時代、ノムさんからよく“公開説教”されていたっけなあ。

 斎藤は8月8日の楽天戦(Kスタ)で勝利投手の権利目前ながら、2試合連続の5四球で降板となった。ヘコむ佑ちゃんに武田勝は言い切った。

 「失投でも打たれれば勉強になるし、次につながる。でも、四球でかわしていったって、得るものは何もないぞ」

 今季117回を投げて四球わずか9という、12球団トップの与四球率を誇る左腕の直言は、どんな指導者よりも説得力があった。

 この日は7安打されながら5回無失点。よく打たれたが、四球を減らして勝負した結果が、4勝目につながった。

 まさに「良薬は口に苦し」。直言してくれる人は、大切にしたいのだ。

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