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2011年10月 4日 (火)

【再録】「加藤は見た」The Answer Is Blowin' In The Wind

 9月30日のロッテ・日本ハム戦(QVCマリン)で粘投しながらも、6勝目が遠かった斎藤佑樹投手についてのコラムです。勝利投手の権利を有して降板しましたが、チームはサヨナラ負けを喫しました。試合前練習の時から、マリンのフィールドには強い秋風が吹いていました。

  この日の斎藤はロッテ打線のほかに、もう一つの敵と戦っていた。初体験となるQVCマリンのマウンド。“初対戦”となったのは、同球場名物の風だった。プレイボール前には札幌Dでの入場曲「勇気100%」(NYC)が流れた。ロッテ側も粋な演出で佑ちゃんの同地デビューを歓迎したが、天候だけは意地悪だった。

 初回、中堅方向から吹く7メートル前後の強い風はバックネットで跳ね返り、マウンドからは向かい風になった。“マリンの洗礼”を浴び、変化球の制球に苦しんだ。2回を終え、5安打2失点で43球を費やす展開。だが試合後、斎藤は強気だった。

  「気にならなかったです。全然、苦しいとは思っていない。調子いいと思っていました」

  その声はローテ投手として、決して弱気は見せまいとの意地にも聞こえた。

 吉井投手コーチは振り返る。

  「きょうはちょっと、すっとこどっこいな佑ちゃんだったね。入団した時みたい。試合が始まった時は向かい風だったけど、それにあおられて、バランスを崩したこともある」。プロの水に戸惑っていた春先の斎藤を感じたようだった。

 それでも粘って、試合を作るのが斎藤らしさなのだろう。徐々に風も和らぎ、低めにスライダーも決まり出す。「4回からは大丈夫だった。1度、経験しておけば、次からは大丈夫」と吉井コーチ。5回8安打2失点。2点リードで勝利投手の権利を有し、救援陣にバトンを託したが、結果はサヨナラ負け。6勝目は消え、自身4連敗に終止符を打つことはできなかった。8月27日の西武戦(西武D)を最後に34日、白星から見放されている。

 いよいよ10月。斎藤のルーキーイヤーも、残りわずかとなった。18番は力を込める。

  「今年いっぱいは、一生懸命にやるしかない。そこで来年につながるものを見つけられれば」

  現在5勝6敗。あと何勝できるだろうか。ボブ・ディランなら、こう歌うかもしれない。

  「その答えは、風に吹かれている」

  (2011年10月1日付「スポーツ報知」東京本社版掲載)

コメント

 私は、昔からの野球ファンであり、佑ちゃんが2006年夏の甲子園で一躍スターになった時から大の佑ちゃんファンです。5年前から佑ちゃんのホームページを立ち上げたり、最近では2010年6月から佑ちゃんファンとしてのブログも立ち上げ、マメに更新しています。
 そして、佑ちゃんが出るスポーツ紙を沢山買うようになってから、佑ちゃん番の〔スポーツ報知〕の加藤弘士記者の佑ちゃんへ温かく注がれる心情あふれる名文に魅せられて、すっかり
加藤記者のファンにもなりました。
 ご本人にお話ししたこともありますが、時々その心温まる名文をブログに引用させて貰っています。
 これからも、佑ちゃんのために、私らファンのために、素晴らしい名記事を書いて下さいね。

コメントありがとうございます。鎌ヶ谷で一度、お話しいたしましたよね!その節は温かいお言葉、胸に沁みました。あれから数ヶ月、堂々とプロの強打者に立ち向かう斎藤投手を見るたび、まさに「男子三日会わざれば刮目して見るべし」という言葉通りであると、成長ぶりに驚いております。今後も独自の切り口で奮闘する若者を描いていきたいと思います。弊紙をどうぞよろしくお願いします。

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