« 桜庭和志、牧田和久。救世主にはあのメロディーがよく似合う | メイン | 【再録】「加藤が占う」スランプなき武器。武田勝の嗅覚に刮目せよ »

2012年4月25日 (水)

ナンバーワンよりオンリーワン。岩舘学の生きる道。

  午前11時57分。東京ドームの一塁側通路に、岩舘学は現れた。プレーボールまで、まだ6時間以上ある。4月24日、日本ハム・ロッテ3連戦の初日。既に到着している選手はこの日、スタメンマスクの大野奨太しかいない。岩舘は私の顔を見るや「加藤さん、早いね。家にいてもすることないか。独身は寂しいね」と笑った。

 まだ誰もいない、照明すら点いていない東京ドームのグラウンド。ジャージ姿の岩舘は一人、黙々と走った。外野のポール間を全力でダッシュすると、水をかぶったかのように、全身が汗まみれになった。一塁ベース上から、マウンド方面をにらむ。投手のけん制をイメージし、二塁へとスタートを切る練習を繰り返した。

 「日ハムは自主性を重んじるチームだからね。巨人ほど全体練習が長くない。だから、1人でやるしかないんだよ」

 03年ドラフト5巡目で巨人に入団。目立った活躍はできず、10年に日本ハムへトレードされた。北の大地での2年間、1軍出場は8試合のみ。だが栗山監督は、いぶし銀のユーティリティープレーヤーをこう評価し、重宝する。

 「マナブは、野球をよく知っている」

 開幕から1軍定着。守備固め、代走、右の代打とバイプレーヤーとして存在感を見せる。3月31日の西武戦(札幌D)では1点を追う9回、代打で同点タイムリー。逆転サヨナラ劇を演出し、初のお立ち台に上がった。

 打席に立つ際の登場曲を、「レッドクリフのテーマ」から今年、SMAP「世界に一つだけの花」に変えた。

 「ウチの子(輝くん・2歳)が好きなの。テレビで『パパが出て来た』って、すぐ分かるようにね」

 ナンバーワンよりオンリーワン、それが岩舘の生きる道。午後2時40分、全体練習が始まった。背番号40のユニホームに着替えた31歳は軽快な足取りで、ナインの輪に加わっていった。

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。