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2012年4月18日 (水)

【再録】「加藤が見た」洗濯から始まった、武田勝の2012年

 普段はプロ野球遊軍として担当は持たず、日本ハムと西武を中心に日々、動き回っています。せっかくですので、今年これまでの記者コラムを、紙面再録という形でアップしてみたいと思います。「スポーツ報知」の野球面では担当記者が、独自の視点でウェブには載らないコラムを執筆しています。お気に入りのチームや選手が活躍(あるいは惨敗)した翌日、ぜひとも購読してみてください。こちらは1月15日、日本ハム・武田勝投手の中伊豆自主トレを取材した際の原稿です。このほど、タケちゃんとは高輪にある同じ美容院に通っていたことが判明しました。縁を感じる選手です。

 「タケちゃん、何やってんの!?」

 「洗濯だよ。だから“原点に返る”って言ったでしょ!」

 あっけにとられる私に、武田勝は笑った。1月14日、静岡・中伊豆での自主トレ公開日前夜。ホテルにチェックインすると、洗濯かごを抱えた左腕に出くわした。年俸1億7000万円を誇る、33歳には似つかわしくない光景だった。「雑用は若手にやらせりゃいいじゃん」と話すと、冒頭のような言葉が飛び出した。

 今季はダルビッシュがチームを去り、大黒柱として迎える初のシーズンになる。大事な年のスタートに選んだのは、シダックス時代、野村克也監督の下で野球漬けの日々を送った中伊豆の地だった。7年ぶりの原点回帰に「ノムさんはごまかしが利かなかった。いつも見られている感じ。ずっと緊張していたよ。今でも夜になると、ミーティングが始まる気がするんだ」と回想した。早朝から始動し、ハングリーに汗を流す。

 だが、変わったものもある。今回、勝の部屋はかつて野村さんが宿泊していたスイートルームだ。60平方メートルの和洋室を一人で使う。「当時は5人部屋でプライバシーなんてなかった」。“ノムラの考え”を胸にコツコツ実績を重ね、ついにノムさんに並んだのだった。

 自主トレには当時のトレーナーも帯同。厳しい体幹運動を課し「武田の体は年々進化している」と証言する。恩師は45歳まで現役を続けた。勝は力を込める。「やるからにはずっとマウンドにいたい」。太く、長く、謙虚に野球へと取り組む姿を見ていると、あと10年はタケちゃんの勝利原稿を書かせてもらえそうな気がしてきた。(2012年1月16日「スポーツ報知」東京本社版掲載)

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