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2012年4月18日 (水)

【再録】「加藤が見た」自主トレ公開日。斎藤佑樹からにじみ出た自信。

 今年1月25日に書いたコラムですが、何だか遠く昔の出来事に感じます。これから1週間後の2月3日、スポーツ報知が「斎藤佑樹、開幕投手内定」と打って、世間はちょっとした騒ぎになりました。でも正直、この時期には斎藤が開幕からローテの頭として涌井、成瀬を撃破するだなんて、想像できなかったなあ。

 囲み取材が終わり、報道陣の輪が解けた後だった。「ブルペン、躍動感があったね。コンディション、かなりいいでしょ?」。私の問いかけに、斎藤はこう答えてくれた。「バリバリです。ヤバイですよ~」。バリバリって…。矢沢永吉のライブMCでしか聞かれないセリフだっての。そして彼は続けた。「キャンプが、すごく楽しみなんです」―。

 今年初の練習公開日だった。千葉・鎌ヶ谷の2軍施設。斎藤は全身を使って、小気味よくミットの音を響かせた。捕手が中腰に構える“立ち投げ”だったが、スライダーやチェンジアップも交えて35球。時折、笑顔も見られた。去年の今頃、鎌ヶ谷に吹き荒れた「佑ちゃんフィーバー」の最中には見られなかった“野球小僧”のいい顔だった。フォームが固まらず、表情から苦悩がうかがえたのは、もう過去の話。早大時代から斎藤を追いかけた大渕スカウトディレクターは言った。「驚いた。2年目でギアをひとつ上げて、加速した感じだね」

 今オフの期間、斎藤を巡る報道量は昨年に比べ、激減した。“隠密トレ”を決断し、練習を公開しなかったからだ。年末年始の鍛錬は、番記者からするとヨダレが出るほど取材したいものだった。都内ではイチロー(マリナーズ)、青木(ブルワーズ)らメジャー勢と、鳥取のトレーニング施設「ワールドウイング」では46歳の中日・山本昌らと汗を流した。

 年齢差ダブルスコアの左腕からは、学ぶことも多かったと語る。「目標になる選手でした。すごく勉強になった」。関節の可動域を広げる練習や、柔軟性の高い筋肉づくりに励んだ。「去年は(左脇腹の)けがをしたことが一番の失敗。それを課題として、今季はローテをずっと守っていきたい」。同じ轍は踏まない。『鉄人ボディー』で年間を通してのローテ死守を誓った。

 昨年1月、鎌ケ谷での初練習にはファン2500人が集結した。この日は事前告知がなかったこともあり、集まったのは約30人。熱が冷め、凍てつく中を、斎藤は気持ち良く疾走した。「キャンプは100%の力で入れるようにしたい」。自信にあふれた表情に、私は確信した。今年は勝ち原稿を、たくさん書くことになりそうだと。オレも取材するぜ。バリバリと。(2012年1月26日「スポーツ報知」東京本社版掲載)

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