退場。制裁金15万円。それでも西武・星孝典には「仲間」がいる
「星が暴力行為で制裁金15万円」の記事に仰天した野球ファンは多いことだろう。星とはもちろん、昨年巨人から西武にトレード移籍した星孝典捕手だ。穏やかで理知的なジェントルマン。野球選手というよりは、県庁の星か、営業ノルマ達成に奔走する銀行員に見える。それが暴力行為って…。
“事件”は10日の楽天戦(Kスタ)で起きた。同点の8回1死二、三塁。聖沢の右飛で鉄平が三塁から本塁へ突入。クロスプレーの判定は間一髪、セーフだった。「タッチしましたよ!」。星君は球審に詰め寄り、接触。これを「暴力行為」と取られ、退場処分になった。
仙台は故郷。3連戦で入場券20枚を自腹で購入し、親族を招待していた。Kスタを出る際、お母さんの姿が目に映った。「無言でした。泣きそうになっていましたよ」。その夜、私も心配になって、星君に電話した。「勢い余って、球審にもタッチしちゃいました」。そう自虐ネタで笑わせてくれた。本当は、落ち込んでいるはずなのに―。
制裁金15万円は選手の個人負担が原則だ。星君も自分で払うつもりでいた。ところが、西武の選手会長・栗山が「選手会で持ちます」と言ってくれた。広島から移籍した嶋の提案だという。
「『星はみんなを代表して退場になったんだから』って。その気持ちがありがたいです」
それは、良かったね。肩に手をかける私に、星君はこう言って笑うのだった。
「触ると、暴力行為で退場になりますよ」
(2012年5月19日付「スポーツ報知」東京本社版掲載)
素敵なエピソードですね。
オチも最高(笑)
投稿: 流石三十五 | 2012年5月20日 (日) 12:47
読んでいる途中から、思わず泣いてしまいました(笑)
良い仲間に恵まれて、ホッシー☆幸せですね♪
投稿: バチ | 2012年5月20日 (日) 16:30