「ようこそ横浜」。DeNAと横浜市の取り組みに拍手。
横浜に引っ越した。最寄りの神奈川区役所で転入手続きを終えると、窓口で手渡された書類の中に、こんなチラシがあった。
「横浜市にご転入された皆様へ ようこそ横浜 DeNA主催試合観戦ご招待」
なんと市に新たに移り住んだ家族は3人まで無料で、ハマスタの内野指定席に招待してもらえるというのだ。行政と球団が手を結んで、この企画を実現させたことも称賛に値する。
素晴らしい試みだと思う。
空想してみる。もし私が横浜に転居したばかりの小学生だったら。友達、できるかな。そんな期待と不安で胸いっぱいの中、家族とハマスタへ野球観戦に出掛ける。高揚感は大きいだろう。試合内容は覚えていなくても、球場で食べた焼きそばがおいしかったこと、応援団が奏でるチャンステーマがカッコ良かったことは、一生忘れないはずだ。そして誇らしく思うに違いない。
今度僕が住む町には、プロ野球チームがあるんだぜ―。
地上波中継こそ減ったが、野球人気は世間でいわれるほど低下していないとは感じる。CS放送でほぼ全試合が視聴できるし、観客数も増えている。だがプロ野球が広く一般層を巻き込む国民的娯楽ではなく、ファンだけの楽しみになりつつあることが、少し心配だ。
プロ野球は面白い。きっかけさえあれば、それまで興味がなかった人々を魅了する力は十分ある。DeNAは昨年末、神奈川県内の小学生72万人にチーム帽子を無料配布した。相当なコストがかかっただろうが、子供たちがこれをかぶって幼少期を過ごすことを考えれば、プライスレスな尊い価値を生み出しているはずだ。
子供が興味を示さないジャンルに未来はない。無料招待からの帰路、家族内でこんな会話が交わされたら、最高だろう。
「またみんなで野球、見に行こうね」
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