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2007年12月21日 (金)

ブルワーズ2選手と黒人少年達の小さな旅(第372回)

 セリグ・コミッショナーがオーナーを務めたことのあるミルウォーキー・ブルワーズの公式ページで、12月15日にリッキー・ウィークス内野手とビル・ホール外野手がミルウォーキー在住でリトルリーグに参加している彼らと同じアフリカンアメリカン、いわゆる黒人の少年少女計14人とともに、カンザスシティーにあるニグロリーグ博物館を訪れたという記事が掲載された。

2007  今年は20世紀初の黒人大リーガーであるジャッキー・ロビンソンがデビューして60周年。各球場でセレモニーが行われた4月15日には、大先輩に敬意を表して多くの黒人選手が彼の永久欠番である「42」をつけてプレーした。しかし、彼らのMLBに占める割合は1970年代をピークに年々下がってきている。

 米大リーグ(MLB)は毎年、開幕時のベンチ入り人+故障者リスト入り全選手(今年は849人)の出身地別人数を発表しているが、今年は米国50州以外の外国人選手が、2年前の242人を上回る史上最多の246人で、全体の29・0%にもなった。15の国と地域から集まる人種のるつぼと化してきた。最多はドミニカ共和国の98人。次いでベネズエラが51人。日本も年々増え13人で全体の5位。来季は福留孝介、黒田博樹、小林雅英、薮田安彦、福盛和男5選手のメジャー挑戦が決定。世界有数の大リーガー供給国となっている。外国人選手の割合は年々増加傾向にあり、1970年は約10%だったが、1997年が19%、5年前の2002年は26・1%。その反面、1975年には約27%を占めていた黒人選手の年々減少。彼らの憧れが、薬物疑惑のバリー・ボンズではなく、NBAのレブロン・ジェームズや、NFLのラダニアン・トムリンソンである現在は今年の統計でも9・2%にまで落ち込んだ。つまり、MLBは黒人選手減少を海外からの選手で埋めているのが現状だ(マイナーリーグ6701人中外国人選手は3098人の46・2%)。

 MLBも都市部に住むアフリカンアメリカンを中心にした子ども達の野球参加を促すRBI(Reviving Baseball in Inner Cities)システムを19年前に立ち上げたが、バスケットボール、フットボールに押されているのが現状だ。危機感を持ったのが現役選手。ダイヤモンドバックスのトニー・クラーク内野手が発起人となって11月に、殿堂入りのフランク・ロビンソンとエディ・マレー、ナ・リーグのMVPとなったジミー・ロリンズ、昨年MVPライアン・ハワード、エンゼルスと9000万ドルで5年契約を結んだトーリ・ハンターらが参加した。

 その回に出席したホールは「今年は(黒人大リーガーが)72人しかいなかった。我々は今後、どうしたら昔のように、黒人少年達が小さいときから野球に親しむようになるかを話し合った」。その経験が今回のニグロリーグツアーにつながった。同博物館によると大リーガーの見学は良くあるが、リトルリーグの選手を連れてきたのは初めてだという。かつては隆盛を極め、そしてMLBに流出し消滅したニグロリーグの変遷を知ったウィークスは「子ども達だけでなく、自分もいい経験になった。彼らは、地元に帰って家族や友人にこの経験を伝えてくれるだろう」と有意義なイベントだったことを痛感したという。

 ホールは「野球は(バスケットのように)6フィート8インチ(約2メートル3センチ)の身長も入らないし、4・2(秒=40ヤードダッシュ)で走る俊足もいらない。サイズもスピードも関係なく偉大な野球選手になった人は多い。こんな小さな行いでも(黒人選手の)増加につながればいい」。14人の子ども達の中から明日のメジャーリーガーが生まれることを期待したい。

 ・イラストは今季、開幕時の大リーガーの出身地別人数。

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蛭間 豊章

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