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2009年8月25日 (火)

自作自演の“超怪記録”(第488回)

 第91回全国高校野球選手権大会は、中京大中京が新潟勢の発の決勝進出となった日本文理の9回猛攻を切り抜けて7度目の全国制覇を成し遂げた。1点差と なった9回2死一、三塁。もし若林尚希のライナーが三塁正面でなかったら、「たら、れば」は野球の常だが、今年も日本の夏を象徴する夏の甲子園大会の記憶 がまた一つ野球ファンの心に刻み込まれた。

 それより約12時間前の米国時間23日のフィリーズ・メッツ戦でも内野へのライナーが米大リーグ史上2度目という快記録につながった。9―7とリードしていたフィリーズの万能内野手のエリック・ブラントレットが、9回無死一、二塁で二塁ライナーをつかんでベースを踏み、走ってきた一塁走者にタッチして一人で3つのアウトを取る「無補殺三重殺」を完成し、ゲームセットとなった。この「無補殺三重殺」は珍しく日本では1967年7月30日東京オリオンズ(現千葉ロッテ)戦での阪急ブレーブス(現オリックス)・住友平二塁手ただ一人しかやっていない記録だ。

 歴史の長い米大リーグでも完全試合より少ない15度だけという滅多に見られないプレー、それにプラスして「ゲームセットになる無補殺三重殺」となると1927年5月31日、タイガースのジョニー・ニューン一塁手がインディアンス戦で一、二塁から、ライナーをつかみ一塁走者にタッチし、二塁ベースを踏んで完成させたのに次いで何と82年ぶりのプレーだった。

 フィリーズの正二塁手は強打のチェース・アトリーだが、この日は休養日でブラントレットがフル出場。7―4とリードして迎えた9回の守備、まず一塁手のライアン・ハワードが打球をはじいて一気に三塁まで許すと、続く打者の二塁正面の打球をブラントレットがファンブルし2点差。次打者の打球は二遊間に転がったが、再びバウンドを合わせ損なって(記録は内野安打)無死一、二塁となった。

 メッツのジェリー・マニエル監督はジェフ・フランコーアがカウント2-2になったところで、ヒット&ランのサイン。フランコーアの打球は二塁ベース右への鋭いライナーとなったが、走者がスタートを切っていたのを見てベースカバーに入ろうとしていたブラントレットのグラブにすっぽり。ベースを踏み、走ってきた一塁走者のダニエル・マーフィーの腰にタッチして完成。軽くガッツポーズしたブラントレットは、遊撃手のジミー・ロリンズとグラブでタッチしゲームセットを喜んだ。

 「(無補殺三重殺でのゲームセットが2度目なんて)思いも寄らなかった。ワイルドなイニングを早く終えようと必死だった。本当に不思議な試合だった」。自らのミスプレーでピンチを招いただけに、快記録達成よりもほっとしたのが本音だったようだ。この快挙に、試合で使用していた同選手のユニホームはニューヨーク州クーパーズタウンにある野球殿堂に贈られた。

 同じライナーでのゲームセットでも千差万別。野球のスコアカードには、一つとして同じ展開はない。5月に亡くなった宇佐美徹也さんではないが「スコアカードにはいくつものドラマが隠されている」という。日米ともにペナントレースが佳境に入ってくる。ファンの記憶に刻まれるようなプレーを期待したい。

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蛭間 豊章

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