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2010年1月13日 (水)

落合監督は日本式殿堂投票の被害者part2(第515回)

 12日、日本の野球殿堂入りが発表された。13日付の紙面で落合監督への投票について「記者の目」を書いたので掲載する。

 中日・落合監督が2年連続で1票届かず殿堂入りを逃した。これ以外の「1票差落選」は、95年の藤田元司氏のケースがあるのみだ。現役時代は巨人のエースとして活躍。監督としてもリーグ優勝4度、2度の日本一に輝く名将は翌年の投票で有効投票232票のうち199票と、75%の当選ラインを大幅にクリアし、殿堂入りを果たした。
今年、大リーグの殿堂入りが決まったA・ドーソンの得票率は昨年から大幅に上積み(昨年67・0%→今年77・9%)されている、日本の東尾修氏(71・4%→83・6%)の場合もしかり。だが、落合氏の得票は1票たりとも伸びなかった。
 メジャーでも例のない3度の三冠王も含め、右打者では史上最高の通算打率3割1分1厘(5000打数以上)をマークするなど、現役時の実績は非の打ち所はない。東尾氏は「落合君のことを考えると、マスコミのみなさんに感謝しないといけない」と語ったという。投票権を持つ記者たちが「落合博満」と書かなかったのはなぜだろうか。もし万が一、監督として取材に非協力的な氏への反感が理由だとしたら、筋が違う。選手時代の実績を考慮するべき殿堂入り投票とは、まったく別物のはずだ。
 メジャーでは現役時代に、ほとんどのメディアに口をきかなかった通算329勝のスティーブ・カールトン投手(おもにフィリーズ)、地元ボストンの記者と決裂状態だったという“最後の4割打者”テッド・ウィリアムスは、ともに資格取得1年目で殿堂入りした。近年は薬物使用選手には厳しい目を向けるが、総じて米国の記者は、グラウンドでの活躍を基準に投票する。
殿堂入りは、ファンを熱狂させた超一流選手への球界全体からの贈り物でなくてはならない。そうでなければ、本来の意義が薄れてしまう。

 去年も書いている https://weblog.hochi.co.jp/hiruma/2009/01/post-41ea.html
ので、出来るだけ重ならないように書いたつもりだが、今回の結果を知った時に唖然としたことは確かだ。東尾氏もそうだったが、殿堂入りの記者会見を行うときは、選手時代の厳しい表情とは対象的に満面の笑みを見せている。落合監督がそんな笑顔を見せるのはいつの日になるのだろうか。

 【長い追伸】東尾氏だけでなく、江藤慎一、古田昌幸両氏も殿堂入りした。両氏とも当コラムでも、取り上げたこともあるだけに感無量だ。特に古田氏は171センチ、62キロの小柄ながら走攻守そろった名選手として知られる。
 都市対抗での活躍は紙面に掲載されているが、あまり触れていなかったのは1957年、第3回世界野球大会の活躍だ。都市対抗で初優勝した熊谷組を中心に全員社会人メンバーの日本代表は、デトロイトのブリッグス・スタジアム(後のタイガー・スタジアム)に乗り込んだ。3勝1敗と勝ち進み、カナダとの決勝戦、延長11回に決勝タイムリーを放ったのが「1番・二塁」でフル出場した古田氏だった。日本社会人野球協会会報に掲載されたAP通信記者の印象記によれば「古田の守備範囲の広さは大リーグ級」と絶讃されている。巨人を9連覇に導いた川上哲治監督も後に「プロでも名二塁手になれる」と太鼓判を押したという。もし、プロ入りしていれば中日で一世を風靡した高木守道氏のような二塁手になっていたのではないだろうか。
 1996年の第1回、世界アマチュア野球選手権の代表監督も務めるなど社会人野球への功績も大きかった。本当におめでとうございます。

コメント

蛭間さんが以前提言されていた
『3人のEさんの殿堂入りを』の1つがようやく実現しました
ファンとしてはようやくの感ありですが・・・

落合氏の件もそうですが、あれほどの選手が今頃殿堂入りなんて
何なんだという気がありますが

あと加藤英 長池両氏の殿堂入りを望みます

 現役時代の選手としての実績だけで評価すれば落合さんは当然、殿堂入りすべき人でしょう。これは、誰もが、そう考えていると思います。でも、そうならなかったのは、選考基準以外の忌避されるべき要素~プロの野球人としては反省してもらいたいことが多いからでは?蛭間さんが指摘されているように、これが何年も続くようだと、殿堂入り表彰の趣旨が没却しかねません。


 他方、アマ球界の故古田昌幸さんに殿堂入りしていただいたのはとても意義があることだと思います。プロ・アマ通して、おそらく当時、最高の二塁手の一人。中日の高木氏、巨人の故土井氏などにも比肩する守備力と判断力。もう一度、OBの皆さんの記憶の中にあるこの名二塁手の姿を掘り起こすのも殿堂入り投票の大事な役目だと思います。だからこそ日本球界は底辺が広く、土台がしっかりしているといえるのですから。

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蛭間 豊章

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