ブログ報知

スポーツ報知ブログ一覧

« ポスティング不要論 | メイン | ダルに強力助っ人!!フィルダー獲得 »

2013年11月20日 (水)

「大戦前夜のベーブ・ルース」を読んで(第750回)

Photo_2

 ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグら錚々たるメンバーが来日した1934年の日米野球の開催までのいきさつや試合内容などは、戦前からの名野球記者大和球士さんの「プロ野球三国志」「真説・日本野球史」、読売新聞の当時のコピーなどを読んで知っているつもりだった。しかし、日本の資料だけでなく、米国での独自な資料や地道な取材によって構成された「大戦前夜のベーブ・ルース」(原書房刊)には、いくつもの新事実が浮かび上がっている。

 その一つ一つが、読む側に当時の舞台に誘ってくれる。本書の中心人物であるベーブ・ルースが実は、打者としてだけでなく、フィールドマネージャーいわゆる監督として参加していたことも初めて知った。発表されていた長老コニー・マック監督は、遠征など同行しなかったという。ルースがナインにゲキを飛ばすシーン、そして最も驚かされるのはメジャーの監督を目指していたルースの品定めをマックはしていたというのだ。

 利権も絡んだ来日米国チームをまとめる米国側の思惑、彼らを招聘する日本側関係者の動き。日米野球各試合と、球場に赴くまでの選手の様子などが詳述されている。その大会に出場したビクトル・スタルヒン、ジミー堀尾、最も戦争に翻弄(ほんろう)された上に戦死する沢村栄治。米ドキュメンタリー作家ケン・バーンズが1994年に、プロデュースした18時間にも及ぶテレビ番組「ベースボール」で、ただ一人登場した(続編ではイチローが登場するが)沢村は、同書の中のもう一人の主役でもある。もちろん、題名に有るとおり大戦前夜として、戦争に邁進する当時の日本の姿、特にクーデターを画策する右翼も描き出している。

 著者のロバート・フィッツ氏は、2008年に読売ジャイアンツ第二期黄金時代の俊足好打の名外野手で日系二世の与那嶺要を描いた、Wally Yonamine: The Man Who Changed Japanese Baseballも出版するなど日本プロ野球を研究。同書は写真(下側)にあるようにBANZAI BABE RUTHとして出版。アメリカ野球学会が野球関連の優れた書籍に贈るシーモア・メダル受賞作だ。題名のバンザイは、同書のキーワードにもなっている。野球ファンだけでなく、歴史好きや、日米関係に興味のある読者にとっても格好の一冊となるのは間違いない。

コメント

同著に加え、「日米野球の架け橋 鈴木惣太郎の人生と正力松太郎 」、「天才野球人・田部[たべ・たけお]武雄」と貴重な野球史関連書籍が相次いで刊行されるようです。

読みかけの本が多くて困っていますが早速買ってみます。

ありがとうございます。
休みごとに物置の本を整理していますが、
読んでいない本の多いこと。
関係者の言葉で綴った関三穂さん観衆の
「戦後プロ野球史発掘1~4」を
勉強のためにもう一度読もうと
思っています。

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

サイト内検索

蛭間 豊章

ヒルマニアロゴ

最近のトラックバック

見出し、記事、写真の無断転載を禁じます。Copyright © The Hochi Shimbun.