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ランナー

2019年5月17日 (金)

祝ベスト サブ3.5②

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 「祝ベスト」第4回はランニングキャンプで刺激を受け、効率的な練習と本番直前のレースを組み合わせてサブ3.5を達成した漁師恵里子さん(33)=静岡県=です。

 中学校はソフトボール部、高校は陸上部で中長距離(1500、3000メートル)に打ち込んだ漁師さん。24歳の時、ダイエット目的で再び走り始め、半年後にはしまだ大井川マラソンで初フルを迎え、4時間19分24秒で完走した。
 2014年には、ハーフがメイン種目だった前身の静岡駿府マラソンがフル化された第1回静岡マラソンに出場。3時間34分48秒まで記録を伸ばし、一般女子29歳以下の部で7位入賞を果たした。だが、15年と16年大会は「モチベーションが保てず」、4時間台に低迷。17年は3時間38分43秒、18年は同45分2秒と盛り返し、「来年は3時間半を切れそう」と手応えをつかんだ。
 昨年のゴールデンウィーク中には静岡・小山町で開催された2泊3日のランニングキャンプに参加。フルマラソンで「3時間30~50分」を目指すグループの練習メニューをやり通せて自信になり、同時にメンタル面でも転機になった。
 「年上の方々がハーハーゼーゼーと息を切らしながら走っていて、『つらいけど私も頑張ろう』と思った。目標が同じラン仲間と一緒に過ごすことが楽しくて、高校時代の合宿の気持ちがよみがえってきました。『私は走るのが好きなんだ』とも認識でき、うれしかった」
 秋から距離を延ばし、1キロ4分~4分15秒のインターバル走(1キロ×2本、つなぎ500メートル)も消化。今年1月、安倍川河川敷で開催された静岡30Kは2時間28分20秒で、目標の1キロ4分55秒ペースで走り切った。その1か月後に行われた静岡マラソンでは、さらなる進化をとげて周囲を驚かせた。
 「この日のために練習してきたんだ。今までやってきたことを考えれば3時間半を切れる。絶対、切るんだ」。心を強くもってスタートすると体も連動した。40キロまで4分45~55秒のペースをキープ。残り2キロだけ5分台に落ちたが、ベスト記録を10分近く更新する3時間25分45秒でゴール。一般女子30歳代で10位に入るナイスランだった。
 来春、再び走り始めて丸10年となる漁師さん。ランニングへの思いは日増しに強くなっている。
 「マイナス思考になっていたり、このままの状況を引きずりたくない時は、ゆっくりでも走ることで気分がスッキリして笑顔になれます。唯一、自分自身に向き合える時間で、精神面や体の調子もよくなって日々、生き生きと過ごすことができる。気持ちを前向きにしてくれる私の原動力なんです」

 写真=静岡マラソンでバンザイしてゴールする漁師さん(手前)

 ★「祝ベスト」次回は24日に掲載します

2019年5月10日 (金)

祝ベスト サブ3.5①

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 昨年度のフルマラソン大会の自己ベスト達成者にスポットを当てる連載「祝ベスト」第3回は、緩やかなペースアップで5年ぶりにベスト記録を更新し、サブ3.5をマークした石田豪さん(43)=静岡県=です。

 2009年3月、結婚を機に禁煙とランニングを同時に始めた石田さん。同年4月には掛川・新茶マラソン10キロの部で初レースを迎えて49分34秒で完走した。翌10年10月のしまだ大井川マラソンが初フルで5時間8分48秒。「後半はほぼ歩いた。達成感はあったけど(フルは)もうやらないと思った。でも、翌日からジワジワと喜びがわいてきた」という。
 3回目のフルとなった12年のしまだ大井川は3時間52分47秒でサブフォー達成。だが、その後の富士山、板橋City、袋井クラウンメロンは、いずれも4時間台に逆戻り。14年6月、富士忍野高原トレイルレースのロングコース(約36.1キロ)に出場し、不本意な7時間2分30秒に終わり「脚力がないとトレイルはきつい。しっかり練習しないとダメだ」と痛感した。
 同年10月のしまだ大井川は3時間35分3秒と、ベスト記録でサブフォー復帰。「サブ3.5もいけるんじゃないか」と気をよくしたが、長女・伊織ちゃん(4)が生まれて育児に時間を取られ、十分な練習を積めなくなった。
 伊織ちゃんが幼稚園入学後、自分の時間がもてるようになった昨年6月、地元の静岡走ろう会に入会。30キロ走やトレイルラン、飲み会などの予定が入り、「仲間と一緒に走るからには速くなった方がいい」と気分も前向きになってきた。
 今年2月の静岡マラソンに向けた練習方針は「ロング走で脚づくり、インターバル走で心肺強化」。1キロ5分半から5分以内、4分50秒以内とペースを上げていく30キロ走を1月は3回、2月は1回消化。1キロ4分15~45秒のインターバル走は1月に2回行った。
 手応えをもって臨んだ静岡の5キロごとのラップタイムは
 25:55→25:27→25:1→24:52→24:35→24:46→23:50→23:16→9:53 
 最初は1キロ5分10秒前後で入って少しずつペースアップ。最後は4分30秒まで上がり3時間27分35秒で走り切った。14年のしまだ大井川の記録を5年ぶりに、しかも7分以上も更新して3時間半切りを達成した会心のレースだった。
 「後半は呼吸が苦しくて脚もつりそうだった。いい感じできてたからイケイケ状態で頑張った」と石田さん。走り始めて丸10年が経過し、「日々の積み重ねが一番、重要なんですね」。結果を出せない時期が長かったこともあり、口調には実感がこもっていた。

 写真=1月の静岡市民継走大会に静岡走ろう会のメンバーと参加した石田さん(右端)

 ★「祝ベスト」次回は17日に掲載します

2019年5月 3日 (金)

祝ベスト サブフォー②

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 昨年度のフルマラソンで自己ベストを達成した方をクローズアップする連載「祝ベスト」第2回は、夢のトライアスロン大会完走を目指してサブフォーをゲットした外山貴子さん(37)=千葉県=です。

 社会人になってからフットサルを楽しみ、2008年と09年の東京マラソンを6時間台で完走した外山さん。記録を狙うガチランナーではなかったが、ホノルルマラソンに出場した15年ごろから「大会ごとの土地を走って美味しいものを食べ、お酒を飲むことが大好きになった」。これまで10キロから100キロまでの40大会(フルは23回)に出場し、すべて完走。「レースを走ることが練習でした」という。
 17年10月下旬、「転機」が訪れた。トライアスロンに挑戦したくなって翌18年5月のホノルルトライアスロン(スイム1.5キロ、バイク40キロ、ラン10キロ)に応募。全く泳げなかったが、週4回スイミングスクールに通い、2か月後にはクロールで25メートルを泳げるようになった。ホノルルトライアスロンは2時間57分20秒でゴール。その数日後、強者が集う19年4月の宮古島トライアスロン(スイム3キロ、バイク157キロ、ラン42.195キロ)にエントリーした。
 「ホノルルも宮古島も、トライアスロンの神様が降りてきた感じ。宮古島は抽選大会で、外れたら『まだ早い』、当たったら『行きなさい』というお告げだと思って、神様にゆだねました」。結果は当選だったものの、「スイムとバイクは期待できない。サブフォーの脚力がないと宮古島は完走できない」と冷静に判断し、マラソン大会を有効利用することにした。
 今年1月はハイテクハーフ、フロストバイト、新宿シティのハーフ3大会に出場。フロストバイトは1時間50分19秒で、ハーフのベスト記録をマーク。3月の古河はなももは「1キロ6分台に落とさない」と踏ん張って3時間56分28秒。ベストを16分更新してサブフォーを達成した。
 宮古島はスイムとバイク、ランを合わせ12時間58分12秒でフィニッシュ。苦手のスイムとバイクで約1時間の「貯金」ができ、余裕をもってランに臨んだ。しかし、暑くなって氷入りの水とコーラを続けて飲んだことで腹痛に。トイレに何度も駆け込み、走って歩いて約6時間。制限時間30分前に何とかゴールゲートをくぐった。
 「一番しんどいマラソンでしたが、サブフォーできた『脚』が残ってたから前に進めた。胃腸の強いはずの私なのに意外な展開で、貴重な体験になった」と外山さん。今月から9月までトライアスロン4大会にエントリー。管理栄養士として目一杯働きながら、「3種目」に磨きをかけるつもりだ。

 写真=宮古島のゴール後、笑顔を見せる外山さん

 ★次回「祝ベスト」は10日に掲載します

2019年4月26日 (金)

祝ベスト サブフォー①

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 昨年度(2018年4月~19年3月)のフルマラソンで自己ベストをマークした人の歩みや練習方法などを聞く連載「祝ベスト」を、今週から掲載します。第1回は9本目のフルで念願のサブフォーを達成した福地恒夫さん(62)=千葉県=です。

 大学時代は登山、社会人になってからは週1回のテニスを続けていた福地さん。13年6月に流山市に転居後、走り始めた。同年10月、流山ロードレースの10キロで初レースを迎え、55分41秒で完走。「若者や年配の方、いろんな人たちと一緒に自分も走れた。ここは晴れ舞台なんだ」と感動し、各地の大会に出場するようになった。
 16キロ、ハーフ、30キロと距離を延ばし、16年10月の水戸黄門漫遊が初フルとなり4時間10分40秒でゴール。翌11月のつくばにも出て、こちらは4時間12分49秒だった。両レースとも「35キロ以降は別世界。何てきついんだろう」と痛感。同時に「4時間を切りたい。でも1人で走っていては限界がある」と感じ、17年6月に地元のランニングクラブ・流山CJ(コミュニティ・ジョガーズ)に入会した。
 サブスリーを目指す30~40代、しっかり練習してサブフォーをキープする60~70代の会員の姿に刺激を受けた。「4時間を切るには月200キロの走り込み」「レース直前の30キロ走」など、ランナーに必要なテクニックも聞いた。多くの情報に接して人脈も広がったが、ここから福地さんの苦闘が始まる。
 18年2月の愛媛マラソンは4時間1分21秒。目標まであと一歩だったが、4月のかすみがうらはガス欠で同25分41秒、10月の水戸黄門漫遊は両ふくらはぎのけいれんで同23分4秒、11月のつくばは両太もものけいれんで同18分53秒に終わった。
 「こりゃダメだ」と落胆したものの、毎週水曜夜には都内の練習会に参加。トラックを使った1キロ4分30~50秒のインターバル走をこなしてきた。今年1月、9本目のフルとなった勝田全国では、けいれん対策として5キロごとに塩タブレット、20キロと30キロ地点でジェルを補給。1キロ5分台のイーブンペースを守り、ついに3時間58分46秒のサブフォーをゲットした。
 「つくばは塩タブレットを忘れて失敗。なかなか結果を出せなかったけど、流山CJにはお手本になる先輩が多く、目標を突破する力になりました」と福地さん。3月の羽生さわやか(ハーフ)では1時間45分21秒のベスト記録もマーク。63歳で迎える今季も、さらなる進化が期待できそうだ。

 写真=羽生を走り終え、ラン仲間と健闘をたたえ合う福地さん(中央右)

 ★「祝ベスト」次回は5月3日に掲載します

2019年3月28日 (木)

84歳 名古屋で自己ベスト

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 今年1月から3月まで連載した「元気な80代」の続報です。
 この企画にご登場いただいたのは、今なおフルマラソンに出場する8人。そのうち7人が2、3月の大会に出場しましたので、結果をお伝えします。
 ★2月24日・世界遺産姫路城マラソン
中橋富雄さん(81)=3時間58分49秒
 ★3月3日・東京マラソン
中野陽子さん(83)=4時間51分24秒、熊本道夫さん(87)=25キロでリタイア
 ★3月10日・名古屋ウィメンズマラソン
猪又佐枝子さん(84)=5時間21分18秒
 ★3月10日・古河はなももマラソン
蓮尾和世さん(82)=5時間52分46秒、鈴木昌男さん(81)=25キロでリタイア
 ★3月17日・板橋Cityマラソン
市田進さん(81)=3時間52分13秒

 札幌市在住の猪又さんは2018年度・全日本マラソンランキングで女性の最高齢者。今回の名古屋ウィメンズではベスト記録を更新し、「調子がよくて疲れなかった。スタート前に『おいくつですか?』と聞かれて『84です』と答えたら、周りの人たちが一斉に振り向いた。一緒の写真撮影を頼まれたりして何か人気者になったみたい」と笑ってました。
 猪又さんの長女・金野実佐子さん(60)も4時間35分6秒、二女・深澤康代さん(58)も4時間23分7秒で完走。母娘3人で5年連続、名古屋を走り切りました。
 「元気な80代」の猪又さんの記事は1月7日にアップ。冬期は融雪装置のある歩道橋上での走り込みなど、雪国ならではの練習方法を紹介しました。ご確認下さい。

 写真=名古屋ウィメンズの完走賞のティファニーを手に猪又さん(中央)を囲む娘の実佐子さん(左)と康代さん(右)

2019年3月 8日 (金)

80歳 連日20キロ走

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 「元気な80代」最終回は17日の板橋Cityマラソンで今季ベストを狙う市田進さん(80)=東京都=。「もういいやと思ったらおしまい」と戒め、連日、20キロのジョギングを行っています。

 市田さんの1日は午前中が仕事で午後はランニングが中心。仕事は月に20日ほど近所の駐輪場で働き、レースの遠征費などを稼ぎます。その後、日没前に1キロ6分30秒前後のペースで20キロの走り込み。「瞬発力が落ちてきたから、ゆっくりジョギングを休まず継続する」ことを心がけ、月間走行距離は600キロ前後になるそうです。
 今季のフルマラソンの成績は11月の神戸が3時間58分59秒、12月の青島太平洋が同58分2秒、1月の勝田全国が同55分30秒。最終戦が今月17日の板橋Cityで、「少しずつタイムを上げてきたので板橋は52分台が目標。1キロ5分30秒ペースでどこまでいけるか。風がないとうれしいね」と、さらなる記録向上を狙ってます。
 還暦記念で初フルを経験。予想外に走れたことで練習を続け、64歳でベスト記録の3時間1分44秒(荒川、現板橋City)をマークした市田さん。日々のジョギングに加え、週1回の30~40キロ走とレースより速いペース走を課し、全日本マラソンランキングの上位が「定位置」に。しかし、加齢とともに練習メニューは変化。76歳の時、練習時に転倒して右肩を強打したことで体調不良となり、負荷の高いポイント練習はやめ、ゆっくりジョグ中心の内容に変えました。
 「年をとったという事実は受け入れるしかない。ただ『80歳になったからもういいやと』と思ったらおしまいだから、毎日の20キロ走に挑戦しています。レースではスピードがない分、突っ込めなくなったけど、20キロ走のおかげで前半と後半のタイムがほぼ同じになった。最近は整理運動もするようになって、次の日にダメージや疲れが残らないようにしています」
 156センチ、50キロの小柄な大ベテランの楽しみはビールと焼酎水割りの晩酌。今月末に81歳を迎え、来月は大好きなボストンマラソンに11回目の出場となります。昨年は大雨で強風という悪条件の中、4時間22分10秒で80歳以上の部で1位となり、今年のエントリー費が無料になりました。
 「ボストンはラン仲間3人と一緒に頑張ってきます。タイムの落ち込み幅を抑え、あと2年はサブフォーをキープすることが今後の目標。欲を言えば85歳まで4時間を切りたいなあ。ほかにやることもないから走り続けますよ」 =おわり=

 写真=近所の公園内を走る市田さん

2019年2月27日 (水)

80歳 気力のサブフォー

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 「元気な80代」第7弾は、24日の世界遺産姫路城マラソンを3時間58分49秒で完走した中橋富雄さん(80)=奈良市=。今季3本目のフルでシーズンベストのサブフォーを達成しました。

 昨年2月の愛媛マラソンを3時間49分14秒で完走後、11月の大阪は4時間3分54秒で「初めて4時間を切れなかった」とショックを受けた中橋さん。12月の奈良も4時間33分16秒と低迷し、その突破口として昨年末からハーフの大会に3回出場。11月のあいの土山を1時間52分50秒、今年1月の十津川温泉郷を1時間52分34秒、2月のいかるがの里・法隆寺を1時間45分44秒と次第に調子を上げ、24日の姫路城マラソンに臨みました。
 姫路城の目的は「サブフォー」。さらに、全日本マラソンランキング1位(17年度79歳=3時間47分4秒、大阪)を死守するため、「3時間45分」がターゲットに。そんな熱い「おじいちゃん」の背中を、ずっと追ってきたのが同じ奈良市民走ろう会の吉川泰子さん(60)。彼女も今季、故障が長引き姫路城が4時間切りのラストチャンスとなり、「おじいちゃんにも勝ちたい」と闘志を燃やしてました。
 姫路城での師弟対決は、中盤まで中橋さんが先行。29キロ過ぎで吉川さんが追いつき「じいちゃん来たよ。行くよ」と声をかけると中橋さんが再びリード。34キロ付近で歩き出した師をとらえた弟子は「これ飲んで追いかけてきて」とジェルを手渡し。「敵に塩を送って先に行きよった」と嘆く師を一気に引き離し、弟子は3時間54分20秒でゴールしました。
 右アキレス腱、ふくらはぎを痛めていた中橋さんは、40キロ地点でペーサーが引っ張るサブフォー集団に抜かれて「これはいかん」。残り2.195キロを12分18秒で盛り返し、3時間58分49秒でフィニッシュできました。
 54歳の時、単身赴任先の愛媛・松山市でダイエット目的でランニング開始。57歳でトライアスロンも始めて心肺機能を高め、64歳でマークした3時間4秒がベスト記録に。73歳で腎臓がんが見つかり腎臓一つを、75歳で胃がんを発症して胃の3分の2を摘出。それでも「腎臓は二つ、胃は3分の1が残ってる。体重が減ってよかった」と前向きにとらえ、いつでも最善を尽くすのが中橋流です。
 毎朝、6時からの7~8キロのジョギングが日課。春からは夕方も走り込んでマスターズ陸上に挑み、秋以降のフルマラソンに備えます。「今回は吉川に抜かれたけど、また背中を見せたる。今年以上の成績が来季の目標ですわ」。奈良のおじいちゃんはバリバリの現役です。

 写真=姫路城マラソンに出場した中橋さん(右から2人目。左端が吉川さん)

2019年2月13日 (水)

83歳 100キロの夢再び

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 「元気な80代」第6弾は中野陽子さん(83)=東京都=。80代の女性の中ではずば抜けて速く、新聞やテレビ、専門誌などに引っ張りだこ。最も有名な高齢者ランナーの「今」を報告します。

 上の写真は2011年6月のサロマ湖100キロウルトラマラソンに初出場し、12時間30分10秒でゴールした中野さん(カメラのタカハシ提供)。70歳で走り始め、75歳で100キロ完走を果たして一躍「時の人」になりました。
 中野さんはマスターズ陸上でも活躍。「80―84歳」のカテゴリーでは800メートル(m=3分30秒)、1500m(6分52秒)、3000m(14分27秒)、5000m(24分44秒)、1万m(51分46秒)、フルマラソン(4時間11分46秒)のトラック、ロードの計6種目で世界記録を打ち立てました。
 彼女の1週間は走る日が3~4日(ロード2~3日、トラック練習1日)、スポーツセンターでのストレッチ1日、完全休養2日で、月間走行距離は約200キロとか。毎週1日は近所の特養ホームに出向き、リネン係として働いてます。
 「マラソンを通じた友人は20代から60代が多く、若くて元気な方が多い。反面、一般的なこととは違った感覚になりがちなので、自分の年代に近い方のいる特養ホームで働いて年相応の生活感や考え方に接するようにしています」
 20代後半からスキーに打ち込み、準指導員の資格も取得。その影響から70歳で走り始めた際も、まず、ランニング教室で基本を学んで記録を伸ばしてきました。71歳で迎えた初フルは4時間44分(06年、ホノルル)、73歳でマークした3時間49分(09年、北海道)がフルマラソンベスト記録です。
 それでも70代後半から記録は低下。昨年末に83歳となり、「以前は1キロ5分30秒でいけたのに、今は6分も楽ではない。記録が伸びてたころは雨が降っても走ってたけど、最近は『雨か、やめようか』。普通にこなしてた30キロ走も、せいぜい20キロになっちゃった」
 来月3日は東京マラソンに出場。その後、4月は日立さくらロードレース、燕さくらマラソン、5月は仙台国際ハーフマラソン、6月は利尻島1周55キロと、ハーフ3本とウルトラレースに出場予定です。
 「利尻島は今回が10回目の出場。前夜祭と後夜祭を楽しみ、人とのつながりができた。孫のようなラン仲間もいっぱいできてマラソンの輪が広がった。体は衰えてきたけど、今後は行ったことのない土地の大会に出たい。体調が良ければ100キロをもう1回、走ってみたいとも思ってます」
 153センチ、40キロ。小柄な「レジェンド」には夢の続きがありそうです。

2019年2月 7日 (木)

82歳 古河で6時間切り

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 「元気な80代」第5弾は、来月の古河はなももマラソンで6時間切りを目指す蓮尾和世さん(82)=千葉県=。タイムは確実に落ちてきましたが、ベストを尽くしてレースに臨みます。

 50代になって「運動がしたい」と水泳を始めた蓮尾さん。「カナヅチ」状態から上達し、マスターズ水泳の会員に。400、800メートルなどの長距離が得意種目となり、何度も年代別1位に輝きました。
 60代中盤、スポーツジムの若い仲間がランニングのことを楽しそうに話すのを聞き、「私も走ってみたい」。国際女子マラソンの出場資格をもつ女性にコーチを頼み、毎週1回、近所の公園で走り始めました。5キロ、10キロ、ハーフとレースの距離も次第にアップ。70歳になった2006年、翌07年の第1回東京マラソンの当選通知が届きました。
 初フルとなったその東京は5時間38分34秒で完走し、「60代の友人と手をつないでゴール。頑張ってきてよかったと感動しました」。その後、年2回はフルマラソンに挑戦するようになり、09年の東京では4時間42分18秒のベスト記録をマーク。「自分の課題を練習やケアなどで一つ一つ克服していくこと。もっと速く走りたい、長く走り続けたいと思える」マラソンの魅力に取りつかれました。
 もっとも70代前半で発症した左足の変形性ひざ関節症が次第に悪化。80歳で迎えたつくばマラソンは5時間26分41秒、82歳で出場した昨年の福岡マラソンはワースト記録の6時間4分33秒と不本意な結果が続いてます。
 「年相応の老化は受け入れてきましたが、福岡では初めての6時間台で恥ずかしかった」。来月10日の古河はなももマラソンが雪辱の舞台となります。
 現在は毎週木曜日に50代の女性と20~30キロ走。週2~3回、1人で10キロ前後を走り込んでます。月1回の鍼灸医院、左ひざのヒアルロン酸注射で体をケア。料理の際はカルシウムや鉄分などを取るように工夫しています。
 「古河では6時間を切りたい。全日本マラソンランキングに載るタイムは5時間台にしたい」と意気込む蓮尾さん。「こんなに頑張れる自分を今まで見たことがなかったから、マラソンはずっと続けたい。家事はいつでもやめられるけど、マラソンはゴールを目指すしかないでしょ。あと1か月、最善を尽くします」
 ご主人と娘3人、孫4人に囲まれる優しいおばあちゃんが、勝負モードに入ってきました。

 写真=近所の公園でジョギングする蓮尾さん

2019年2月 1日 (金)

87歳 東京への誓い

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 「元気な80代」第4弾は熊本道夫さん(87)=埼玉県=。60代で陸上競技を本格的に始め、米寿の年に迎える来月の東京マラソンで5時間切りを目指しています。

 中学校から大学までテニスや野球、ボクシングに打ち込み、「体育会系」だったという熊本さん。サラリーマン時代は登山に明け暮れ、国内の3000メートル級の山々をすべて登破。定年後にはカナダのバンフ近くにある登山学校に入学し、見聞を広めてきました。
 「若い時から運動に取り組み、ずっと走り続けてきた」ことで、61歳からマスターズ陸上の会員に。これまで800、1500、3000、5000、1万メートルのトラック種目に加え、5キロや10キロ、ハーフ、フルのロード種目に挑戦。現在はM85(85~89歳)の部で10キロ(56分24秒)、ハーフ(2時間10分12秒)、フル(4時間48分17秒)の日本記録保持者です。
 初フルは64歳の時、網走マラソンを3時間46分10秒で完走。翌年のボストンマラソンが100回目の記念大会と知り、出場資格を取るために出場しました。ボストンも3時間台の記録でゴールし、「沿道の家の前にテーブルが並んで料理が振る舞われ、ガソリンスタンドでバンド演奏があったりと、街をあげての応援に感動しました」。
 70代に入ると、世界7大陸の最高峰を制覇した米国人の著書に感動。その後、アコンカグア(6962メートル=m、アルゼンチン)、デナリ(6190m、米国)、キリマンジャロ(5895m、タンザニア)、エルブルス(5642m、ロシア)、コジオスコ(2228m、豪州)の5大陸5峰の登頂に成功しました。
 この間、74歳で出場したつくばマラソンで3時間23分34秒のベスト記録をマーク。山とマラソンで輝きを放つ一方、悲しいできごとを乗り越えてきました。66歳の時、妻・俊子さんが心不全のため64歳で死去。「あれが人生唯一の計算違い。つらかった分、頑張ってこれたと思う」
 現在は20代のお孫さん2人と同居。おじいちゃんが家事全般を受け持ち、チキンのトマトケチャップ煮込み、ポークリブなどの手料理が喜ばれています。
 毎日10キロの走り込み、早大スポーツ科学部のグラウンド(埼玉・所沢市)が拠点の「ワセダクラブ」の練習会で、来月の東京マラソンに向けた調整を続ける熊本さん。「東京は右ひざが痛くならなければ5時間を切りたい。毎日、女房に『東京を完走させてくれ。お迎えはその後にしてくれ』とお願いしてるんだ」とか。大丈夫、きっと奥さんが背中を押してくれますよ。

 写真=マイコースの所沢航空記念公園でくつろぐ熊本さん 
 

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