ブログ報知

スポーツ報知ブログ一覧

« 2017年12月 | メイン | 2018年2月 »

2018年1月

2018年1月26日 (金)

鈴木みのるは2年連続で雪の札幌テロリストになるか…金曜8時のプロレスコラム

失ったばかりか、後藤洋央紀(38)にNEVER無差別級王座まで明け渡した男が、月をまたがずしてメインイベントでさらに格上のタイトルに挑む…。
 ランキング制度があったならば、あり得ない話だが、これは理不尽な鈴木軍の実力行使ならではというよりも、ファンが鈴木を求めているということだろう。ドームでは敗者だったはずが、リング上で自ら断髪してみせ男を上げた。勝った後藤よりも輝いていた。
 鈴木と棚橋は、2012年の1・4東京ドームで棚橋が保持していたIWGPヘビー級選手権を争っている。試合は棚橋が25分59秒、ハイフライフローからの片エビ固めで防衛。“エース”棚橋もさることながら、今年6月に50歳になる鈴木のタフさ、しぶとさ、憎まれっぷりには驚かされる。
 「新日本道場の鬼から生まれ、神様と呼ばれた男に育てられた」と言う鈴木。鬼とは藤原喜明、神様とはカール・ゴッチのことを意味する。ストロングスタイルの関節技をマスターしているということだが、藤原には“関節技の鬼”とは別に“テロリスト”という顔もあった。
 1984年2月3日に札幌中島体育センターで藤原喜明が、長州力の入場時に花道で襲い、大流血させて、藤波辰巳(現辰爾)とのタイトルマッチ(WWFインターナショナルヘビー級選手権)をぶち壊した“雪の札幌テロ”が歴史に刻まれている。
 昨年、鈴木はそのオマージュをやってのけた。昨年2月5日の「復活!雪の札幌決戦」(北海きたえーる)で、オカダ・カズチカ(30)の持つIWGPヘビー級王座に挑んだ鈴木は、前日の調印式でオカダを襲撃し、右膝を破壊した。試合は40分46秒、オカダのレインメーカーから片エビ固めで敗れたが、1年後も雪の札幌の挑戦者になってみせた。
 勝つことに期待していないと書けば怒られるだろうが、負けて輝く男の生き様は、かつての藤原喜明が見せた“やられの美学”に通じるものがある。いや、違う。鈴木にはタイトル強奪という波乱を期待させる風が吹いている。(酒井 隆之)

2018年1月19日 (金)

鈴木みのるの断髪で思い出す、36年前のラッシャー木村の逃走劇…金曜8時のプロレスコラム

 4日に東京ドームで行われた新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM12」で、私が最も熱視線を注いだのが鈴木みのる(49)と後藤洋央紀(38)のNEVER無差別級選手権試合だ。この試合は敗者髪切り&ノーセコンド・デスマッチとして行われた。
 元王者の後藤がタイトルを奪回するために、王者・鈴木の挑発に応じて、髪をかけて挑戦した。昭和のファンとしては、新日本の髪切りマッチと言えば、1982年9月21日に大阪府立体育会館で行われたアントニオ猪木VSラッシャー木村を想起せずにいられない。木村の“はぐれ国際軍団”に加担したストロング金剛が試合中にハサミを持ち出し、場外戦でアニマル浜口が猪木の髪を切るという暴挙に出た“事件”だ。
 激怒した猪木はイスで浜口、金剛をメッタ打ちし、木村に延髄斬りを見舞って完勝。流血した木村は国際軍団に抱えられるようにして花道を去って行った。当時はパンチパーマだった木村の“断髪式”がセッティングされようとする中、猪木は木村がいないことに気付き「木村どこ行った? 木村は?」とマイクをつかんで訴えた。逃げたことを知ると、鬼の形相で「てめぇら男の恥を知れ、コノヤロー!」と叫んで永久追放を宣言。このマイクアピールで“あわや暴動”の事態を収拾したのだった。
 そんな興奮を思い出しながら見たヘアマッチ。当時の国際軍団のように悪逆非道な鈴木軍が介入できないように、ノーセコンド・デスマッチとなった。フェンス内にセコンドなし、場外カウントなし、決着はリング上のみという完全決着ルール。鈴木がいきなり、裸締めで後藤を締め落とし、リングドクターが“介入”する波乱の幕開けとなったが、鈴木はドクターも蹴散らして、後藤を攻め続けた。
 息を吹き返した後藤は、雪崩式牛殺しなどで逆襲。鈴木軍のタイチがリングに入ろうとしたが、後藤はエルボーで撃退し、最後はGTRで鈴木から3カウントを奪った(18分04秒、GTR→エビ固め)。
 ここで鈴木軍が逃げた。TAKAみちのくらが、大将の断髪を阻止するため、控え室に連れて行こうと花道を下がったが、鈴木はそれを振り払って自らリングに戻った。用意されたイスを、自分で用意したイスで払いのけて腰を下ろし、自らバリカンを入れた。トレードマークの馬のたてがみのようなモヒカンヘアを自ら刈り、イスの上にその髪を置いて堂々と去っていった。
 バックステージで、鈴木は大荒れだった。ゴミ箱をぶちまけ、「撮んなよ」とポールを振り回してマスコミを遠ざけたが、“善行”の照れ隠しに見えた。王座を奪回した後藤は「潔く髪を切ったのは真の格闘家としての強さだと思う」と鈴木に敬意を表した。こんな後味の“良い”遺恨マッチの決着は、今の新日本プロレスのスマートさのなせる業だろう。
 36年前は次の大阪大会で猪木が国際軍団の寺西勇の髪をハサミで切り、“浪速っ子”の留飲を下げたが、木村は髪を切らずじまい。時代を超えて、鈴木が落とし前をつけたのだった。しかし、王者としてベルトをかけているのに、髪をかけるのは後藤だけで良かったんじゃないかと今さらながら思った。(酒井 隆之)

2018年1月12日 (金)

プロ野球よりも、大相撲よりもプロレス総選挙が面白かった…金曜8時のプロレスコラム

 テレビ朝日系「ファン1万人がガチで投票! プロ野球総選挙」が8日に放送され「歴代スター選手番付」野手部門はマーリンズからFAになっているイチロー外野手(44)、投手部門はエンゼルス入りした大谷翔平投手(23)がトップ当選を果たした。
 番組では野球ファン1万人にアンケートを実施し、「歴代スター選手番付」を作成。野手部門、投手部門でベスト20が発表されたが、3月12日放送の「現役・OBレスラー200人&ファン1万人がガチで投票!プロレス総選挙」(ベスト20)、7月31日の「力士・親方70人&ファン1万人がガチで投票!大相撲総選挙」(ベスト30)に続く第3弾だ。
 芸がないと言われることを承知で、3大選挙結果を列挙してみよう。

 ◆プロ野球総選挙
 ▽野手部門BEST20
 〈1〉イチロー、〈2〉王貞治、〈3〉長嶋茂雄、〈4〉大谷翔平、〈5〉松井秀喜、〈6〉落合博満、〈7〉野村克也、〈8〉バース、〈9〉金本知憲、〈10〉内川聖一、〈11〉秋山翔吾、〈12〉稲葉篤紀、〈13〉掛布雅之、〈14〉菊池涼介、〈15〉クロマティ、〈16〉衣笠祥雄、〈17〉新庄剛志、〈18〉阿部慎之助、〈19〉古田敦也、〈20〉秋山幸二
 ▽投手部門BEST20
 〈1〉大谷翔平、〈2〉野茂英雄、〈3〉稲尾和久、〈4〉金田正一、〈5〉田中将大、〈6〉江川卓、〈7〉江夏豊、〈8〉ダルビッシュ有、〈9〉上原浩治、〈10〉桑田真澄、〈11〉黒田博樹、〈12〉佐々木主浩、〈13〉岩瀬仁紀、〈14〉工藤公康、〈15〉村田兆治、〈16〉岩隈久志、〈17〉斎藤雅樹、〈18〉伊藤智仁、〈19〉松坂大輔、〈20〉山本昌

 ◆大相撲総選挙BEST30
 〈1〉千代の富士、〈2〉貴乃花、〈3〉大鵬、〈4〉白鵬、〈5〉北の湖、〈6〉稀勢の里、〈7〉朝青龍、〈8〉双葉山、〈9〉初代若乃花、〈10〉舞の海、〈11〉初代貴ノ花、〈12〉3代目若乃花、〈13〉輪島、〈14〉千代の山、〈15〉寺尾、〈16〉宇良、〈17〉栃錦、〈18〉曙、〈19〉高安、〈20〉小錦、〈21〉柏戸、〈22〉魁皇、〈23〉北の富士、〈24〉2代目若乃花、〈25〉日馬富士、〈26〉高見盛、〈27〉遠藤、〈28〉武蔵丸、〈29〉千代大海、〈30〉若島津

 ◆プロレス総選挙BEST20
 〈1〉アントニオ猪木、〈2〉ジャイアント馬場、〈3〉初代タイガーマスク、〈4〉オカダ・カズチカ、〈5〉力道山、〈6〉棚橋弘至、〈7〉ジャンボ鶴田、〈8〉獣神サンダー・ライガー、〈9〉三沢光晴、〈10〉スタン・ハンセン、〈11〉長州力、〈12〉武藤敬司、〈13〉小橋建太、〈14〉天龍源一郎、〈15〉ケニー・オメガ、〈16〉橋本真也、〈17〉蝶野正洋、〈18〉ハルク・ホーガン、〈19〉真壁刀義、〈20〉アンドレ・ザ・ジャイアント

 いずれも世代によって異論が噴出している。プロ野球でもレジェンドと比べて実績が乏しい大谷への異論がある。日本最速165キロの球速が1位の理由としてクローズアップされたが、球速が落ちるベテランになってからの技巧、生き様など投手力は球速だけで計れないものがある…などと議論させている時点で番組制作サイドの勝利である。大相撲でも異論が噴出し、元祖のプロレスでも藤波辰爾が入っていないのはおかしいなどと、話題になった。
 それにしてもプロレス総選挙はおもしろかった。スタジオにリングが組まれ、ランク入りレスラーが入場テーマに乗ってリングインする演出があったからだ。コスチューム姿でリングに上がりながら照れ笑いを浮かべるオカダ・カズチカのオフな表情も良かった。プロ野球や大相撲には、そのような演出がなかった。
 さらに野球や相撲は、個人記録が明確化されているが、プロレスは団体や王者が乱立し、一くくりにするのが難しい中、ランク付けしたのは画期的だった。トップ4の猪木、馬場、初代タイガー、力道山は動かしてはいけないので、次回は現役とレジェンドに分けてBEST20をやってほしいものだ。(酒井 隆之)

見出し、記事、写真の無断転載を禁じます。Copyright © The Hochi Shimbun.