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2018年6月

2018年6月 8日 (金)

オカダVSオメガは、鶴田VS長州、猪木VSブロディを超えた…金曜8時のプロレスコラム

 9日に大阪城ホールで開催される新日本プロレス「DOMINION」で、IWGPヘビー級王者、オカダ・カズチカ(30)とケニー・オメガ(34)の決着戦が行われる。IWGP史上初となる時間無制限3本勝負という特別ルールというのも楽しみだが、何よりも昨年6月11日に同じ大阪城ホールで60分フルタイム(時間切れ)引き分けだった死闘の続きがいよいよ見られるのだ。

 昨年の大阪城決戦がフルタイムになった時、かつて同会場でフルタイムを戦ったジャンボ鶴田VS長州力(1985年11月4日)、アントニオ猪木VSブルーザー・ブロディ(1986年9月16日)と並んだと思った。だが、過去の2試合はフルタイムを最後に両者が再戦を行うことはなかった。すでに鶴田とブロディは鬼籍に入っており、“思い出マッチ”としてでも顔を合わせることはかなわない。

 だから再戦が決まった時点で、レジェンドたちを超えることになる。いや、オカダVSオメガは、昨年の時点で昭和の名勝負2番を超えていたと言っていい。昭和の2試合は高校時代に会場で見たが、試合終了時の雰囲気がオカダVSオメガとは決定的に違っていた。

 鶴田VS長州は、試合前に「本日のメインイベント60分1本勝負は特別ルールにより、両者リングアウトはございません」と“完全決着ルール”がアナウンスされ、大喝采となった。当時のプロレスは、“両リン”による不完全決着が横行していた。それが排除され、雌雄が決すると期待された試合だった。だが、40分を過ぎたあたりから、嫌な予感がした。長い足4の字固めなどで時間は進み、長州が珍しくジャーマンスープレックスを繰り出して沸いたが、鶴田がボストンクラブを決めた所でタイムアップとなった。ゴングが鳴った瞬間、ジャンボは両手でガッツポーズ。コーナーに上って「オー」までやる余力があった(それはそれですごい)。だから、「延長コール」の大合唱が巻き起こったのは当然だった。

 猪木VSブロディは、30分過ぎに、猪木のトップロープからのニーアタックがレフェリーのミスター高橋に誤爆して失神し、会場に寒い風が吹いた。大「コテツコール」を受けて山本小鉄がレフェリー代行としてリングイン。試合が続行されたことによって、ファンのがっかり感は薄まった。フルタイムで不完全燃焼も、反則で試合が終わることよりも受け入れやすかった。

 オカダVSオメガは、試合途中でオメガ陣営のCodyがリングにタオルを投げ込もうとして、場外に観衆の視線がいった時間はあったが、両者ノンストップの攻防が続いた。解説席の獣神サンダーライガーは「こいつら超人を超えてるで。スーパー超人だ」とうなり、残り時間1分からオメガが投げっぱなしドラゴンスープレックス、オカダが打点の高いドロップキックからレインメーカーとたたみかけた。大の字になったオメガにオカダがカバーにいこうとしたが、思うように体が動かずタイムアップ。死力を尽くした両雄に延長を望む声など出るはずもなかった。

 いつもなら「3つ言わせてください」と言うオカダのマイクアピールも座ったまま「1つだけ」とし、「ケニー・オメガ、最高のレスラー、超満員の大阪城ホール、最高の空間、勝つという最高の結果にはならなかったですけど、最高の60分でした」と声を絞り出した。オメガは「ユー・キャン・ビー・セカイノオカダ」とたたえた。

 そう言えば、あの猪木VSブロディの抗争では、新日本サイドが3本勝負を求めたがブロディと折り合いがつかなかった。過去の成績は、両者リングアウトか、反則による白黒(□■)はあったが、互いに1本も取らせることはなかった。3本勝負なら最終的にドローになったとしても、2本目までに〇●がつくことになり、そのリスクを取らなかったのだ。そんな昭和の因縁をも超越してしまう、オカダVSオメガの3本勝負が頼もしくてしょうがない。(酒井 隆之)

 
 

2018年6月 5日 (火)

メディア学部で講話

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  東京・新宿区の目白大学で講話をしてきました。以前、取材でお世話になった目白大メディア学部の特任教授・伊藤敏朗先生のお招きで、メディア表現学科(2~4年)の講義に参加させて頂いたのです。

 スポーツ報知を教材に新聞記事の仕組み、表現方法について私なりの体験談を述べさせて頂きました。相手は我が息子、娘と同じく新聞離れが著しい世代ですが、ネットニュースの話題も交え、日本の新聞文化伝承へ、貴重な交流の場となりました。学生たちは長く感じたかもしれませんが、まだまだ話し足りず、あっという間の90分でした。

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2018年6月 1日 (金)

IWGP35周年!開幕カードはホーガンVSカーンだった…金曜8時のプロレスコラム

 東京ディズニーランド(TDL)が開園35周年イベントで盛り上がっている。TDLが開園した1983年は、プロレス界空前のイベント、第1回IWGP(インターナショナル・レスリング・グランプリ)が開催された年だった。プロレスファンにとってはTDLよりもIWGPが夢と魔法のワンダーランドだった。

 優勝戦はあの有名な猪木“舌出し事件”。6月2日のことだった。ハルク・ホーガンがアントニオ猪木をアックスボンバーで“失神”KOし、IWGPのベルトを腰に巻いた。

 翌6月3日付の報知新聞をひもといてみた。当時はプロレスを扱っていなかった報知新聞だが、この日ばかりは、その報道があった。一般スポーツ面の5面の下の方に「A猪木、救急車で入院 試合中に失神」との見出しがついている。

 冒頭を引用してみる。「2日夜、東京の蔵前国技館での新日本プロレスのIWGP(インターナショナル・レスリング・グランプリ)優勝戦で、アントニオ猪木選手(40)=本名、猪木寛至=が試合中、相手選手にひじ打ちされ、脳震とうを起こして倒れ、救急車で病院に運ばれるという騒ぎがあった。関係者の話を総合すると…」

 そこから“事故”の経過と描写、病院での様子が書かれてあるわけだが、「関係者の話を総合すると」とあることから、事故当時、現場に記者がいなかったことがわかる。事後にあわてて取材して、記事を成立させているのだ。

 プロレス報道というよりも、猪木が入院した社会ネタとして取り上げている。相手が「米国のハルク・ホーガン選手」で「ひじ打ち」が「アックスボンバー」であることは、かろうじで書かれてあるものの、試合結果や優勝者についての記述はない。それでも、プロレスを扱わない当時の報知新聞にIWGPの正式名称を露出させる結果となった。

 第1回IWGPの出場者は、豪華だった。主催した新日本プロレスのエース・アントニオ猪木を中心に、米WWF(現WWE)のスーパースター、ハルク・ホーガン、アンドレ・ザ・ジャイアント、ビッグ・ジョン・スタッド、キラー・カーン(日本代表)、メキシコUWAからエル・カネック、エンリケ・ベラ、欧州CWAからオットー・ワンツ、英国遠征でヨーロッパ・ヘビー級王者になっていた前田明(現・日明)、そして欠場したディノ・ブラボーの代役として出場した元国際プロレスのエース、ラッシャー木村。

 10選手総当たりのリーグ戦で同点首位だった猪木とホーガンが優勝戦を戦ったのだった。

 当時の報知新聞が報じることがなかった開幕戦は5月6日の福岡スポーツセンター大会で、この日の公式戦はホーガンVSカーン、猪木VSアンドレだった。猪木戦がメインイベントだから、記念すべき決勝リーグ公式戦開幕第1戦は、ニューヨークでもメインを張れるホーガンVSカーンだった。

 テレビ朝日系で金曜夜8時のゴールデン枠で生中継されている。皮肉にもメインの猪木戦は放送時間が足りず“尻切れ”だったのも懐かしい(結果はCM明けの提供社紹介枠でフォロー)。開幕戦でホーガンは、アックスボンバーをカーンに放ち、ピンフォール勝ちして、優勝戦へのデモンストレーションを果たしていた。

 現在、東京・新宿区で「居酒屋カンちゃん」(JR新大久保駅近く)を営むカーンは「ホーガンはうちの店にも来てくれたし、いまだに友情がありますよ。その前の年のアンドレとの決勝も蔵前で盛り上がりました。アンドレは亡くなったけど、店に来たがってたんだよ」と懐かしむ。IWGPリーグの前身であるMSG(マジソン・スクエア・ガーデン)リーグ戦では1982年の第5回大会決勝で、カーンはアンドレと激闘を繰り広げ惜敗した。第1回IWGP優勝戦のセミ前にも、アンドレVSカーンの特別試合が組まれた。

 ホーガンは後にWWF世界ヘビー級王者として、全世界のスーパースターになるわけだが、王者として来日した際にはリップサービスながら「本当に偉大なのはIWGPのベルトなんだ。WWFのベルトなんかクリスマスツリーに飾るおもちゃにすぎない」などと英語でまくしたてているのを聞いた。

 35年前から始まったIWGPの歴史。5年にわたるグランプリ大会を経てタイトル化し、第5回大会(1987年)覇者の猪木が初代王者に認定され、現在に至る。第65代の現王者、オカダ・カズチカは歴代最多の12回防衛を達成している。歴代王者にも防衛戦の歴史にもホーガン、アンドレ、カーンの名前は出てこないが、あの黎明期の興奮を忘れないでおきたい。(酒井 隆之)

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