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2019年5月17日 (金)

天龍源一郎氏が閉店酒場に贈った酒…金曜8時のプロレスコラム

 プロレスファンが語らう月曜酒場「とん八」(東京・恵比寿西)が10日未明に閉店した。最後の客の一人として飲ませて頂いた。

 この店は、レジェンド系プロレスラーのグッズ販売やトークショーを展開するチームフルスイングの利根川亘代表(46)が、2014年5月から月曜定休の飲食店を借りて自慢の“盗作料理”を振る舞い、プロレスをサカナににぎわってきたが、開店5周年にして、惜しまれながら閉店。

 「一部の変わり者の皆様に愛されてきました。悲しいこと、残念なことなど一つもありません。素人が生意気にも居酒屋の大将をさせて頂いて、ありがとうございました」と利根川代表は“いつも熱血”の張りのある声で感謝。閉店週間は月曜にとらわれず常連さんを集めて特別営業し、川田利明(55)、キラー・カーン(72)も顔を見せた。最終日にはドラディションなどで活躍する三州ツバ吉(48)が最後の客としてカウンターにすべり込んでいた。

 利根川代表は、後楽園ホールのグッズ売り場で、大きな声でレジェンド系選手のTシャツを売っていることで有名。最初の出会いも後楽園ホールだった。「昭和プロレス」旗揚げ戦だった。2008年5月12日だから、11年前になる。坂口征二氏、ザ・グレート・カブキが発起人となり、往年の選手たちが登場した興行だった。

 グッズ売り場でキラー・カーン(この日は歌手として出演)を取材していると、あいさつしてくれたのが利根川氏だった。プロレスと同じく巨人・原辰徳監督(当時も)と高校野球を愛する利根川氏は、珍しくプロレス会場に来たスポーツ報知の記者を見逃さなかった。「報知さんですか。御社まで号外をもらいに行ったことがあるほど愛読してるんですよ」この嗅覚と営業力はすごい。

 屋号の「とん八」は、トンパチという、「無鉄砲なヤツ」を意味する相撲用語。トンボに目隠しの鉢巻をするとどこに飛んでいくかわからない、ということが語源の隠語だが、このトンパチに豚と八をあてがったもの。「8」はもちろん、原辰徳の現役時代の背番号にあやかっている。

 月曜酒場「とん八」の跡地は…、というよりも、もともとが「estrela cafe bar」(エストレーラカフェバー)という店で、「とん八」は月曜だけの裏営業だったわけだから、これまでと変わらない。過度な期待はいけないが、月曜の空気感だけは残っているかもしれない。

 チームフルスイングはここのところ、ヒット企画、いやホームラン級のイベントをかっ飛ばしている。平成最後の金曜夜8時となった4月26日には、後楽園ホールでのドラディション「NEVER ENDING DREAM TOUR」でアントニオ猪木参院議員(76)と藤波辰爾(65)のトークバトルを記念グッズで盛り上げ、翌4月27日には70歳の誕生日を迎えた藤原喜明の「古希祝フルスイングトーク」を東京・新宿区のリーガロイヤルホテルで開催し、師匠の猪木氏、弟子の前田日明氏(60)、船木誠勝(50)を招聘(へい)し、スペシャルトークを演出した。

 今月18日には、川田利明、田上明(58)、小橋建太(52)の元四天王3人を集めて「“激烈”フルスイングトーク栄光の四天王」を開催する。残念ながらというか、当然のようにチケットはすでに完売している。藤原組長の誕生会もそうだったが、これだけのメンバーを集めるのは、よほどの信頼関係がないとできることではない。トークだけではなく、夢のコラボ撮影会という貴重なオプションがあるのも魅力だ。

 トークショーでは、裏方としての演出から大声での爆笑役など、一人で何役もこなしており、さらなる夢のイベントのためには、月曜酒場の閉店もやむなしなのである。

 閉店にあたって、天龍源一郎氏(69)からお酒が届けられた。利根川氏は天龍プロジェクトで販売主任を担当していた。あの天龍革命を象徴する黒地に黄色いロゴの「Revolution」Tシャツを再現するなど、天龍氏の引退までグッズ売り場で声をからしていた。

 数々の武勇伝を持つ酒豪で知られる天龍氏。最近は、体調を気遣い大酒を飲まなくなったようだが、「贈 天龍源一郎」と書かれたのし付きの酒に利根川氏は大感激。「天龍さんから頂いたお酒は、最高の卒業証書です」と頭を下げた。

 店に飾られたこの酒を最後の客と飲むのかとも思ったが、利根川氏は大事そうに抱きかかえて店を閉めた。日本酒だとばかり思っていたが、後日、聞いてみると「お酒はシャンパンでした」と明かしてくれた。

 さすがだ。天龍さんの粋を感じた。日本酒やワインなら飲まずに寝かせておくことができるが、シャンパンは早めに飲んでしまわないと味が落ちてしまう。「大事にせず、パーッと飲んでしまえよ」という天龍さんの無言のメッセージのようだった。レスラーの何気ない振る舞いについて、ああでもない、こうでもない、とファンが語り合う昭和プロレス、バンザイ。(酒井 隆之)

 

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