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2009年2月15日 (日)

森達也さんのインタビュー

 2月16日付紙面で初めて書評を担当させて頂きました。紹介した本はオウム真理教信者の日常を追ったドキュメンタリー映画の監督として知られる森達也さんの初の本格的小説「東京スタンピード」(毎日新聞社、税別1600円)。舞台は2014年の東京。ささいなことを契機に市井の人々が暴徒化して、やがて大量虐殺へとスタンピード(集団暴走)していく・・・というストーリー。1月に森さんご本人をインタビューした記事です。ぜひ本紙をご覧下さい!

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 森さんにお時間を頂いて、立教大学前でインタビューさせて頂いたのは1月中旬。掲載までに1か月も経ってしまいました・・・。インタビュー後は森さんと松本サリン事件の被害者、河野義行さんが特別講師として招かれた社会学部教授、服部孝章先生の特別授業にも出席させて頂きました。私も立教の出身でして、一応は森さんの後輩ということになります。もちろん直接お話をうかがえたのは今回が初めてですが。

 私が森さんのドキュメンタリー映画に感銘を受けたのは7年前の2002年3月。BOX東中野(現ポレポレ東中野)で、森作品を特集して連日の上映会が行われており、ご本人のトークショーもありました。「放送禁止歌」の上映後にゲストとしてお見えになった高田渡さん(故人)が、ベロベロに酔っぱらったまま壇上に上がってそのまま眠ってしまったことをよく覚えています。森さんもインタビューの時の余談で「あの高田さんが見られたのは貴重ですよ」とおっしゃっていました(笑)。

 オウム信者の日常を追った『A』『A2』はまさに目から鱗。さらにフジテレビで深夜放送されていた「NONFIX」で放映された短編作品に引き込まれました。『放送禁止歌』『よだかの星』など・・・。テレビでは扱いにくいテーマにあえて挑んでいったのは、森さんが「東京スタンピード」の主人公同様、「周囲とずれて行ってしまう」からなのでしょうか。

 映像作品に感銘を受けてからは書籍もかなり読みました。「A撮影日誌」「世界はもっと豊かだし、もっと優しい」「ドキュメンタリーは嘘をつく」「日本国憲法」「悪役レスラーは笑う~『卑劣なジャップ』~グレート東郷」「池袋シネマ青春譜」など・・・。お世辞ではなく、読んで「はずれ」と思った本はないですね。特に「悪役レスラー」は格闘技担当記者の時に読んだので「自分もこんな評伝が書ければ・・・」と憧れたものです。

817 最近の作品の中で、特にお奨めしたいのは「死刑」ですね。今、「オバマ演説集」の売れ行きが好調な朝日出版から出ています。

 今年5月から裁判員制度が始まります。この制度によって日本国民は世界で初めて殺人などの重罪の量刑を判断することが課されることになります。被告を死刑にすべきか否か。国民から選ばれた裁判員が、それを判断しなければならなくなるわけです。

 この本は、死刑という制度そのものについて考察する時、議論する時には今後必読書になるのではないでしょうか。とにかくすごい取材力、追求心です。死刑制度に賛成の人も反対の人も読んで損した気持ちにはならない・・・と私は思います。

 森さんはアムネスティでの講演の席上で「装丁も重厚でお部屋のインテリアにもなる。一家に2、3冊あっても悪くないと思いますよ」と宣伝されていて笑ってしまいました。このへんのジョークのセンスがまたいいですね。

 是非また森さんを取材させて頂きたいと思っています。

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コメント

 かわうちゅうさま、コメントありがとうございます。私も森さんが推薦していらっしゃる赤澤竜也氏の本は気になっていました。読みたい本がたまる一方ですが、せっかくお奨め頂いたので読んでみようと思います。

森達也さんの「オウム真理教」関連の映画、確かに興味深かったですね。その森さんが推薦文を書かれている「会社人間だった父 偽装請負いだった僕」(赤澤竜也著=ダイヤモンド社刊)も、いい本でした。一読お奨めします。
 新分野で一転、頑張って下さいよ。cute

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甲斐毅彦

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