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2009年4月 9日 (木)

森田健作氏のあの時の言葉

 20代以下の方はご存じない方がほとんどだと思いますが、1984~86年に「ポスト聖子」と呼ばれていた岡田有希子さんというアイドル歌手が活躍していました。人気絶頂だった1986年の4月8日、18歳の若さで衝撃的な自殺を遂げ、帰らぬ人になってしまったのですが、あれから23年たった今も岡田さんを忘れることができないファンは少なくありません。命日の8日正午には、彼女が所属していた四ッ谷4丁目のサンミュージックの前に献花を持ち寄り、黙祷を捧げる人たちが約60人ほど集まりました。

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 あれから23年。組織的なファンクラブはもうありませんが、ファンの間で「佳桜忌」と呼ばれるこの日は、正午ごろになると今でも自然とファンが集まってきます。毎年ファンを代表して、集められた献花を愛知県のお墓まで運んでいらっしゃる男性は「お寺のご住職は、ユッコはもう随分前に成仏したとおっしゃっています。今はもう悲しみを思い出すというよりは、私たちが元気で暮らしているということをユッコに報告するつもりで偲んで欲しい」という趣旨のことを言っていました。

 30代後半になった私は、今はもう女性タレントにはほとんど関心がなくなりましたが、実は中学生の時に熱烈なファンだったのは、岡田有希子さんでした。

 私が中学2年生だった1984年、デビューまもない彼女からよみうりランドでもらったサイン色紙が、今でも宝物。レコード、アルバムはすべて持っていますし、当時の雑誌なども捨てられないまま残しています。

 23年前の事件があったのは、確か高校の入学式の前日だったと思います。自分の部屋で第一報を聞いたのは午後1時のNHKラジオニュース。「岡田有希子さんが飛び降り自殺をしました」。無機質で、淡々としたアナウンサーの声を聞いて受けた衝撃は一生忘れることはできないでしょう。現実感は全くありませんでしたが、テレビをつけたらワイドショーで大騒ぎ。全身が砂になるような感覚とでも言いましょうか。しばらく身動きもできませんでした。

 我に帰ると、中野の自宅を飛び出し、自転車をこいで四ッ谷に向かいました。午後4時ごろ、現場につくとすでに多くのファンや報道関係者でごった返していました。泣き崩れてアスファルトに頬ずりする若者たち。私はその時は涙は出ませんでしたが、ヘタヘタと座り込み、日が暮れるまで佇んでいました。そして一人で自転車をこいで帰りながら涙がこぼれてきました。

 当時のワイドショー、週刊誌はこの話題で持ちきり。そして、残念なことに若者の後追い自殺が相次ぎ、社会問題となってしまいました。

 私の場合は後追いしようとまでは思わなかったけど、やはり喪失感は大きく、高校入学後もしばらく放心状態でした。

 で、実を言うとそんな私の目を覚ましてくれたのは、サンミュージックで岡田さんの兄貴分的な存在だった森田健作氏の言葉でした。岡田さんのラジオ番組に森田氏がゲスト出演したこともありましたし、彼女も「兄貴」として慕っていたようです。

 事件後の衝撃が冷めやらぬある時、彼はファンが集う中でこんなようなことを言いました。「君たちの悲しい気持ちはよく分かる。でも君たちはこれからも生きていかなくちゃいけないんだ。ユッコのぶんまで生きること。それがユッコへの一番の供養になるんだ」

 別に今の私が森田氏を持ち上げる理由があるわけではありませんが、当時頭の悪い高校生だった私は、この言葉には大変勇気づけられましたね。「そうか、オレはユッコのぶんまで生きなきゃいけないんだ」。中学生の時は全く勉強をしませんでしたが、これを転機に真面目に勉強するようになりました。

 岡田さんには芸能界入りを反対する両親を説得するために「①学校のテストで学年1番になること、②中部統一試験で学内5番以内になること、③第一志望の愛知県立の高校に合格すること」の3つの条件をクリアしたというエピソードがありましたからね。ひたすら努力で夢を叶えていくという女の子でした。

 これをきっかけに森田氏が当時、中高生を対象に運営していた「森田塾」にも入会した思い出があります(笑)。キャンプ場でのバーベキュー大会みたいなイベントがあって。会費は300円ぐらいだったかな。「森田塾」と書かれた白いバッジをもらいましたよ。

 千葉県知事に当選し、あの頃と変わらぬ溌剌とした表情で夢を語る森田氏を見て迎えた23年目のこの日。

 桜が散る道を歩きながら、古く、切ない記憶を思い出してしまいました。

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コメント

資生堂「IN&ON」のCMに、河合その子・伊藤つかさ・石川秀美の各位と共に荻野目ちゃんが出演したそうです。
ユッコも生きていれば、素敵なママさんタレントになってたろうに……

 自由人さま、はじめまして。ブログをご覧頂き、ありがとうございました。今年も佳桜忌が近づいて来ましたね。残念ながら特集で取り上げることは難しいですが、なんらかの形で情報発信ができれば、と常々思っています。何よりも今でもあの頃の思い出を共有していらっしゃる方がいらっしゃることがうれしいです。

甲斐さん 初めまして、今年も佳桜忌の季節が近ずいてきました。
今年も、若い世代に、ユッコちゃんを伝えていただく為にも、新聞で特集など組んでください。
お願いします。

ななみんさん、懐かしいですね! すぐに誰だか分かりましたよ。お元気そうで何より。嬉しかったです。ベネチアも今はすっかり弱くなって今はセリエCですよね。名波が活躍していたのはもう10年前。時が経つのは早いものです。ななみんさんからのコメントで宇都宮の餃子が食べたくなってしまいました・・・・。

あ~、岡田有紀子さん・・・高校入学の4月でした。
私は、彼女と一字違いの名前だったので、翌日の入学式後のクラスでの自己紹介で岡田○○子です・・・の自己紹介をしたときに
聞き間違えた級友の動揺が忘れられません。
当時、父親は仕事上、彼女の事故現場を通り・・・たくさんの花が供えられていたのをみた・・・と言ってました。
本当に残念な女性を亡くしたと思います。
でも・・・甲斐くんが彼女のファンだったとは・・・
私、昔、甲斐くんとお会いしたことがあるんです。
最近この多事放論を知りましたがお元気そうでなによりです。
これからも楽しみにしています。

岡田さんは当時、輝くアイドルでした。聡明で控えめな印象でしたが女優さんとして大成しそうな方でした。当時、四谷近辺で仕事をしていたので、この訃報には驚かされました。あらためてご冥福をお祈りします。

森田健作氏は青春の巨匠ですよね。この人の青春ドラマの主題歌LPを何枚か買いました。友人たちからは笑われましたが「さらば愛の日々よ」というのが好きでした。森田さんのドラマの後、村野武範さんや中村雅俊さんが出てこられました。これからも青春群像は少しずつ変わっていくのでしょうが、青年たちの持つ情熱、夢、勇気といったものは時代が変わってもかわらないと思います。

なぜか、森田さんが県知事に当選後、県知事候補として完全無所属か否か、某市民団体の方たちから公職選挙法違反で告発されたようですが、私には彼に対するネガテイブキャンペーンにしか見えません。まったく嫌疑がなかった場合、この方たちは虚偽告訴などにはあたらないのでしょうかね?

shiroさま、コメントありがとうございます。実は私が一番好きな曲も「あなたを忘れる魔法があれば」。哀感の込められた一番彼女らしい曲だったと思います。今のアイドル歌手でこの曲が似合いそうな人はいないでしょうね。今でも思いを共有しておられる方がいらっしゃると思うと本当に嬉しくなります。ありがとうございました。

先輩、覚えていますが、あの写真を部室に置いたのは私ではありません。たぶん上級生でしょう。ショックであんなことをする気分じゃなかったですよ。

同じく、岡田有希子さんの大ファンでした。
この季節になると名盤「フェアリー」が聴きたくなるんです。
その中の一曲「あなたを忘れる魔法があれば」。切ないです。

森田塾、私も入会しており、森田健作さんから「生きよようぜ」の言葉をもらい、単純に感動したものでした・・・。そういえば森田氏が結婚した際、森田塾から適当に数名が呼ばれ、ご自宅前で「さらば涙・・・」を熱唱したものです。今考えればフジテレビの演出だったようですが。若者は単純ですからね。

 そう言えば、部室に彼女の遺影(雑誌の切り抜きか何かに、誰かが黒の帯を書いていた)が置いてあったな。あれは甲斐だったのか?

 私も山で多くの仲間を亡くしました。あのどん底に叩き落とされたような絶望感は一生忘れられない・・・。

 ちなみに、森田健作のレコード持ってました・・・。何で買ったのか今でもよくわからない・・・。

当時のことは私も覚えている、
23年も経つんですね。
娘が聖子ちゃんに夢中になっている最中で彼女は唯一対抗できるアイドルと思っていた矢先の悲劇でした。
写真週刊誌に掲載された落下現場に横たわる遺体は今でも忘れられない。
なんか、胸が痛くなってきます。
ご冥福をお祈りします。

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甲斐毅彦

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