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2009年12月20日 (日)

片山右京さんの遭難事故

 元F1レーサーの片山右京さん(46)ら3人が富士山で遭難した事故で、静岡県警は19日、片山さんに同行していた宇佐美栄一さんと、堀川俊男さんの遺体を発見し、収容しました。18日に自力で下山した片山さんは、御殿場署で遺体と悲しみの対面を果たし、自責の涙を流しながら2人への謝罪の言葉を口にしました。

 大学時代に体育会山岳部に所属していた私は、毎年12月の冬山合宿に備えるため、11月下旬に富士山での訓練合宿を行っていました。富士吉田の駅から五合目までもすべて徒歩。佐藤小屋がある吉田口五合目をベースにします。吉田大沢で滑落防止の雪上訓練をみっちりやった後、2人一組でザイルを結んで頂上へアタックします。この時期の斜面はアイスバーン状態でツルツル。パートナーが足を滑らせた時に確保に失敗すれば、自分も一緒に滑落するだけに緊張感が高まる登攀でした。

 登頂後は完全に下山せずに8合目地点でビバーク(非常時の露営)訓練。ツェルト(軽量の簡易テント)をかぶって一夜を過ごし、遭難時を想定した耐寒訓練を積むというのが定番でした。

 独立峰で樹木がほとんどないため、突風の強烈さは他の山に例をみません。雪訓中にも、風で舞い上がった拳くらいの大きさの岩が無数に降って来て肝を冷やした思い出があります。登攀中に突風が来たら、身を伏せてピッケルの先端部を雪面に打ち込んで滑落を防ぐ。その際にはピッケルと体を密着させるので、鎖骨が折れてもいいから力ずくで打ち込め、と教わりました。滑落して死ぬよりはましだからです。凍った斜面で足を滑らせ、命を落とした人は、私なんかよりも経験豊富な先輩でもたくさんいます。

 合宿では7~8合目にある閉鎖された山小屋前の少しでも風が避けられる場所を選んでビバークします。それでも寒さで震えは止まらないし、冷え切った足は攣ってしまうわで眠れたものではありませんでした。大学3年の時、頂上アタック後に高度障害で顔がパンパンにむくんでしまい、4年生から下山を命ぜられたときは正直、ホッとしたものです。

 富士登山の最中で緊張感が緩むとすれば、テントの中くらいしかないでしょう。もちろん最大限に安全が確保できる設置場所を選ぶことが条件です。私が気になって仕方がないのは片山さんのパーティーの幕営状況がどうだったのか、ということです。小屋前の風除けができる場所に張ったのか、それとも動きがとれなくなって斜面を削って平地を作り、突風が直撃するのを知りながらも即席の幕営地で寝ざるを得なかったのか。片山さんの口からは、まだ詳しい状況は語られていません。

 

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コメント

コメント入れてくれてありがとう。懐かしいなあ。武田君か桜井君でしょ? 今どうしてるんですか?せっかくだから連絡くださいよ。

 甲斐先輩、お久しぶりです。鷺宮高校山岳部の汚点、軟弱部員の後輩です。とんでもない偶然が重なり、このブログに辿り着きました。お元気そうで何よりです。不真面目で軟弱で頭の悪かった当時を懐かしく思い出しました。
 先輩方の後にコメントを書くような自信はありませんので、これで失礼します。

 コメントありがとうございました。いかなるレベルの山行であれ、登山はすべて自己責任だと私も思います。片山さんの「活動自粛」は厳しい世論を受けてのことで、本心では活動を続けたいのではないかと思います。遠征中に隊員が死亡事故を起こしたとしても計画そのものを中止にするというケースはむしろ稀なはずです。本来なら片山さんは悲しみを乗り越えてビンソンマシフ行きを遂行するべきだったのではないでしょうか。

 冬富士は昔から多くの登山者が登っており、少なからず事故も起きています。今さらそんなに騒ぐなよ、と思うのは私だけでしょうか?
 亡くなった二人は、無念であったと思いますが、学生ならともかく、二人ともいい大人です。全ては自分の責任・・・それ以外ないと思います。冬山登山やヒマラヤ登山というのは、どんなに気を付けて綿密な計画を立て、しっかりと準備し、慎重に行動してもリスクは決してゼロにはならなず、死ぬ要素は無くなりません(計画書未提出はまずかったですね)。
 登山家として大成するには、仲間の死を乗り越える勇気と強さが必要です。片山氏の再起を期待します。

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甲斐毅彦

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