スカイツリーの巨大地下空間
東京スカイツリーに併設されたビルの巨大な地下空間が16日、報道陣に公開され、私も行って参りました。地下20メートルにあるのは、冷暖房を管理する省エネシステムです。
こちらは深さ16メートルの巨大地下貯水槽です。
この貯水槽は容量約7000トン。夜間電力で稼動させ、夏は5度、冬は48度の水温にして施設内を循環させて、日中の空調に利用します。これにより電力ピーク時の電力消費量を4~5割削減できるそうです。
7000トンは25メートルのプール17杯分。大規模災害のときには生活用水、消防用水として墨田区や消防庁に提供することになっています。
もう一つは地中熱利用システムです。
地中温度は外気温よりも、夏は低く、冬は高い。
この性質を利用して、エネルギー消費効率を向上させるシステムです。私は最初、地熱発電のことかと思ったのですが、全く違うようですね。
地中に埋め込んだ熱交換用チューブ(高密度ポリエチレン)内に水を循環させ、地中熱と熱交換を行うことで、冷暖房の効率を上げます。
大気に熱を放出させないシステムなので、ヒートアイランド(都市部の気温が上昇する現象)を抑制する効果もある。
すでに大学やオフィスビルなどでは導入されているそうですが、スカイツリークラスの巨大建造物で取り入れられるのは初めてです。
メディア向け見学会を主催した東武エネルギーマネジメントの話では、夜間電力と地中熱利用の併用により、約4割の消費電力が削減できるのだそうです。
まったくおまけですが、取材の帰り道に浅草の「花やしき」の前を通りました。小学生の頃行った覚えがありますが、周囲が整然としていて驚きました。
スカイツリーを見上げて首が疲れた後、このゆる~い乗り物を見たら、心がホッとしました。
私も「花やしき」で国内最古のローラーコースターに乗って「違う恐怖感」を味わおうと思ったのですが、さすがに男一人で乗る気にはなれず、やめておきました(笑)
投稿: 筆者 | 2011年6月27日 (月) 16:31
興味深いレポート、ありがとうございます。
スカイツリーが新技術を多用していることには改めて驚かされます。東日本大震災の最中、壊れていないのだからすごいですよ。
スカイツリーと中央リニア新幹線が日本の再起動の象徴になるでしょう。
新技術とはおそらく対極にある「花やしき」を持ってこられるあたり、甲斐さんのペンは絶妙の味ですよ。ただ「花やしき」のジェットコースター、あれはのどかでいいですが、違う意味で恐怖を感じるときがあります。ギシギシというあの金属疲労です。私は勤続疲労といわれそうですが?
投稿: テーミスの秤 | 2011年6月18日 (土) 00:27