「虚実亭日乗」
オウム真理教信者の日常を内部から撮影したドキュメンタリー映画「A」の監督、森達也さんの新刊「虚実亭日乗」(紀伊国屋書店)を読みました。
森さん(作品の中では緑川南京が)が「悶える」のは、表現する者としての良心と自覚があるからだと私は思っています。メディアにおいて表現をすれば、図らずも傷つく人が出てくるのは必然的です。日々、表現し続けるとしても、それを自覚するのとしないのとではやはり違うのではないか。そう考える人なら森さんに共感できるのではないでしょうか。既存のメディアへの不信感をお持ちの方にも是非ご一読をお勧めしたい本です。
どこまでが事実が分らないような話を展開した末のオチがまたいい。森さん独特のセンスが生きており、面白いです。
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