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現代イスラム地域研究専門の内藤正典さんの新刊 「イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北」(集英社新書)は、今こそ読むべき本です。
世界のムスリム人口は現在16億人。今後も増加傾向で内藤さんは10数年で20億人に達するだろうと見込んでいます。世界人口の3分の1にもなろうというのに、私たちはあまりにもイスラムの文化や思想、価値観について無知です。全く異なる文化で育っているので、仕方のないことかもしれませんが、まずは知ろうとすることが大事ではないでしょうか。知ることで考え方が変われば、行動も変わってくるかもしれません。
問題の根源はオバマ米大統領や安倍さんがイスラムのことを知ろうともしないことにあるように思います。内藤さんは「中東・イスラム世界に起きている混乱に関する限り、米国に追随してはなりません」と断言しています。米国側の視点に立てば9・11テロの悲惨さばかりを想像してしまいますが、米国は無人攻撃機などにより、ケタ違いのムスリム市民を殺してきたということを忘れてはならないでしょう。イスラム側の憎悪は当然なのです。
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米国の圧力をかわしつつも、イスラム国との全面敵対を回避した例として内藤さんはトルコを挙げています。クルド民族主義との戦闘を繰り返してきたトルコは、軍事力でテロを潰すことができないことを知っているのです。トルコはイスラム国に捕られた人質の全員解放に成功しています。イスラム国と地理的に近いトルコでできて、日本にできないはずがないでしょう。
内藤さんは多文化共生論も専門。終章では同志社大学にタリバンと敵対するアフガニスタン政府双方を呼び、和平会議を行った話が出ています。会場となったのは大学内のチャペル。それでも異議を唱えるタリバンはいませんでした。会議後は学生が行く居酒屋で鍋を囲んだそうですが、お祈りの時には、店内に貼られているお酒を持った色気のある女性ポスターを厳かにはがしてから行ったそうです。傑作エピソードだと思います。
対話なき攻撃は彼らをよりいっそう過激に、解決にはつながらない。そのことを私たちは学ぶべきではないでしょうか。
外国特派員協会で、ジャーナリスト後藤健二さんの実母、石堂順子さん(78)の記者会見に行って来ました。
「今回の件で日本政府からはまだ何の連絡もない。今回ご迷惑をかけた健二には改めて教育をしないといけないと思っています。健二は常に中立な立場で報道をしてきたと思います。イスラム国の敵ではありません。健二は自分のためではなく、イスラムの子どもたちのために現地へ行ったのだと思います。あと残された時間はわずかです。イスラムの子たちが日本へ学びに来るときには私の家を宿にしてください」
短い記者会見でも話しぶりから知性を感じさせるお母様でした。会見後、私はエレベーターの下まで追って行って聞いたところ、西洋医学・東洋医学療法の博士号を取ったとおっしゃっていました。帰り際には、一記者である私の目を見て「息子を救ってください」とおっしゃっていました。
アントニオ猪木がまたまた新党に参加。といっても本人はマララさんと会うために海外出張中で、本人不在で結党会見でした。タリーズコーヒーの創業者、松田公太参院議員が起ち上げた新党「日本を元気にする会」が都内で会見し、党の綱領などを発表。国民投票による直接民主主義型政治への転換や、徹底した規制緩和と既得権益排除の実現、小さく効率的な政府を目指し、国の役割を民間と地方に移譲することなど基本政策に掲げています。
同会は昨年11月に解党したみんなの党に所属していた松田代表ら4人の参院議員と、次世代の党を離党した猪木参院議員の5人が参加して結成。松田代表は「インターネットで国民と議論して、意見を募り、反映させることで、直接民主型の政治を実現する」と意欲。最高顧問となる猪木氏について松田代表は「党のコンセプトに『素晴らしい』と賛同して頂いた。名前だけには頼るわけではない」と話しました。略して「元気会」。元気があれば新党もできる。
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