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2015年1月25日 (日)

「イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北」

現代イスラム地域研究専門の内藤正典さんの新刊 「イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北」(集英社新書)は、今こそ読むべき本です。

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 世界のムスリム人口は現在16億人。今後も増加傾向で内藤さんは10数年で20億人に達するだろうと見込んでいます。世界人口の3分の1にもなろうというのに、私たちはあまりにもイスラムの文化や思想、価値観について無知です。全く異なる文化で育っているので、仕方のないことかもしれませんが、まずは知ろうとすることが大事ではないでしょうか。知ることで考え方が変われば、行動も変わってくるかもしれません。

 問題の根源はオバマ米大統領や安倍さんがイスラムのことを知ろうともしないことにあるように思います。内藤さんは「中東・イスラム世界に起きている混乱に関する限り、米国に追随してはなりません」と断言しています。米国側の視点に立てば9・11テロの悲惨さばかりを想像してしまいますが、米国は無人攻撃機などにより、ケタ違いのムスリム市民を殺してきたということを忘れてはならないでしょう。イスラム側の憎悪は当然なのです。

...

 米国の圧力をかわしつつも、イスラム国との全面敵対を回避した例として内藤さんはトルコを挙げています。クルド民族主義との戦闘を繰り返してきたトルコは、軍事力でテロを潰すことができないことを知っているのです。トルコはイスラム国に捕られた人質の全員解放に成功しています。イスラム国と地理的に近いトルコでできて、日本にできないはずがないでしょう。

 内藤さんは多文化共生論も専門。終章では同志社大学にタリバンと敵対するアフガニスタン政府双方を呼び、和平会議を行った話が出ています。会場となったのは大学内のチャペル。それでも異議を唱えるタリバンはいませんでした。会議後は学生が行く居酒屋で鍋を囲んだそうですが、お祈りの時には、店内に貼られているお酒を持った色気のある女性ポスターを厳かにはがしてから行ったそうです。傑作エピソードだと思います。

 対話なき攻撃は彼らをよりいっそう過激に、解決にはつながらない。そのことを私たちは学ぶべきではないでしょうか。

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甲斐毅彦

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