「竹中労に学べ」
新宿ネイキッドロフトで行われたトークイベント「若者よ、反骨のルポライター・竹中労に学べ!」に行ってきました。参加者は今年「紋切型社会」を出版して話題になったライターの武田砂鉄さん、新右翼一水会の元代表、鈴木邦男さん、ルポライター、昼間たかしさんの3人。特別ゲストに竹中労さんの妹さんがいらしていました。
革命、芸能、映画、貧困などあらゆるジャンルのルポを書き続けた竹中労が亡くなったのは私が大学3年生だった1991年。リアルタイムで私が知る竹中労は、深夜の討論番組に出ていた最晩年の姿しか知りませんが、後にその足跡を知って感銘を受けました。1999年に欧州出張中に読んだ「ルポライター事始」(ちくま文庫)がとても印象に残っています。
イベントの中で武田砂鉄さんも「ノンフィクションは名作でも残りにくい」と言っていましたが、竹中労が書いたものは一部を除き、入手困難になっています。竹中労が活躍した時代よりも現在はさらに世知辛く、自由な言論が封殺される時代になってしまったことは間違いなく、こんな時代だからこそ竹中労の精神を蘇らせるべきだ、というのがイベントの趣旨でした。
鈴木邦男さんは竹中労と接してきた経験を振り返られたのですが、私よりもさらに若い33歳の武田砂鉄さんが、竹中労の功績に関心をもたれた慧眼ぶりには敬服してしまいます。
権威を憎み、自由奔放な言論活動を貫いた竹中労が、ネットでの発言が集中砲火を浴びて拡散していくような物が言いにくくなった現在の状況を見たらどのように思うでしょうか。
竹中労に関心をもたれた方は、今でも書店で売られている「ルポライター事始」を是非手にとってみてください。
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