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2016年1月

2016年1月28日 (木)

小保方さんの手記を読んで

STAP細胞論文の研究不正問題をめぐり、論文を書いた小保方晴子・元理化学研究所研究員の手記が28日、講談社から出版されます。タイトルは「あの日」(税込み1512円)で、全253ページ。一足早く入手して読ませて頂きました。

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 一連の騒動についての謝罪から始まり、充実していた研究者時代の日々、マスコミの報道を受けた心の痛み、研究者の道が閉ざされてしまった悲しみなどがつづられています。小保方さんがまとまった主張をするのは、不正疑惑を受けて2014年4月8日に開いた釈明会見以来初めてです。

 率直な印象を言うと、前半の研究者時代のときの話は専門的な話がとり止めもなくつづられていてとても読みにくい。後半はマスコミへの怒りと恨みつらみ、同じ研究者仲間への愛憎半ばでの批判が書かれています。冒頭は謝罪から始まるわけですが、全体的にはやはり強い自己愛を感じてしまいました。割烹着を着てのリケジョの星会見からちょうど2年での出版。なにか別の狙いがあるような気もします。

2016年1月20日 (水)

芥川・直木賞の受賞作品を読んでみた

 東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれた第154回芥川賞・直木賞(日本文学振興会)の選考会を取材して来ました。芥川賞は本谷有希子さんの「異類婚姻譚」(「群像」11月号)と滝口悠生さんの「死んでいない者」(「文学界」12月号)に、直木賞は青山文平さん「つまをめとらば」(文芸春秋)に決まりました。書籍担当記者として、3作品とも読みましたよ。以下は私の寸評。本当ならライフワークであるセンター試験国語の問題を解きたいところですが、後回しです。

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「異類婚姻譚」    すでに人気劇作家として活躍している本谷さんは4度目の候補作。専業主婦の主人公が、自分の顔が夫の顔そっくりになっている不気味さに気付くストーリーです。フィクションならではの手法で描かれたラストは印象的ですが、ふだん純文学に読みなれていないものにはちょっとついていけないような気も。選考委員の作家・奥泉光さんによると選考会では「説話の構造で夫婦間が巧みに描かれていた。一方で本谷さんのこれまでの作品にあった凶暴がもっとあっても良いのではないか、という意見も出た」と評価されたとのこと。本谷さんのこれまでの作品...ってもっと凶暴なんですね。

「死んでいない者」    滝口さんが受賞を逃した前作の「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」は青春小説でしたが、今回は自身が育った埼玉県を舞台にした家族小説。ある一族の通夜から始まり、徐々に家族の全体像が見えていく構成です。本人は「長いものを書こうと思ったら登場人物が多くなってしまった」と語っていたとおり、とにかくいろんな人が出てくるので、私はこの一家の家計図を作りながら読みました。人物一人ひとりは丁寧に描かれていたように思います。選考委員からは「巧みな技法で空間、時間に広がりを持たせた」と評価されていました。

 「つまをめとらば」    直木賞では歴代2位の高齢、67歳で受賞した青山氏の時代小説。舞台は江戸後期の上野付近。人生に惑う武家の男たちを美しい文体で描いています。しかし、登場するのは英雄豪傑とは対極にある普通の武家の男たち。受賞会見で青山さんは「私が描きたいのは英雄豪傑ではなく、銀のアジ」とおっしゃっていました。 アジは大衆魚。食べるときには青くなりますが、生きているときには銀です。つまり、青山さんは生きている大衆を描こうとしているわけです。

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2016年1月18日 (月)

映画「ヤクザと憲法」を観て

といポレポレ東中野で上映中のドキュメンタリー映画「ヤクザと憲法」を観てきました。これはもうとてつもない傑作です。とにかく観るべき作品です。

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 ドキュメンタリーファンはもちろん、ヤクザって本当はどんな人たち?という興味本位、怖いもの見たさの方にもお勧め。本物のヤクザさんの事務所に入り込んで彼らの日常を撮影した類例のない作品です。監督をはじめとする製作者の勇気、実行力に敬服するとともにカメラ取材を受け入れた「二代目東組」の皆様にも拍手を送りたいと思います(とは言いながらも実際に接してみたいとはやはり思わないわけですが・・・)

 1992年に暴力団対策法が施行されて以来、ヤクザ人口は減少の一途をたどり、彼らにとっては「シノギ」も難しくなっています。そんな背景については山口組を長年取材している溝口敦さんのノンフィクションなどを通じて知っていたのですが、その実態を映像で見るとなると、やはりすさまじいものを感じさせられます。...  憲法で謳われている「基本的人権の尊重」には「ヤクザは別」などとどこにも書いていません。彼らの実態、置かれている立場を通じて日本社会の見えにくい風景が見えてくると思います。繰り返しますが、是非お勧めの作品です。

http://www.893-kenpou.com/

2016年1月16日 (土)

「ジャーナリストはなぜ『戦場』へ行くのか」

 文京区で開かれたシンポジウム「ジャーナリストはなぜ『戦場』へ行くのか~取材現場からの自己検証」に行ってきました。

 北朝鮮報道のスペシャリスト、石丸次郎さん、イラク戦争で米軍の空爆を現地リポートした綿井健陽さんらフリーランスや新聞、テレビ媒体で戦場報道に関わってきた報道陣がパネリストとして参加。「イスラム国」による後藤健二さんの殺害事件から1年を機に①危険地報道をする意味②戦場報道をするジャーナリストたちへに政府が圧力をかける背景③国民はなぜ無関心なのか、の3点がテーマでした。

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 シンポジウムでは昨年、シリア入り直前、外務省によってパスポートを返納させられるという前代未聞の処置をされたカメラマンの杉本祐一さんも壇上で報告、また高世仁さんによるシリア入り後、消息が途絶えている安田純平さんの最新情報の報告もありました。すばらしく充実した内容でした。

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 それにしても杉本さんの旅券返納問題で、あるメディアが行った世論調査で、返納を命じた外務省の措置を75%が「適切」と回答してしまっていると聞き驚きました。

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甲斐毅彦

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