有楽町の後楽そばが店じまい
長年、サラリーマンたちに愛されてきた、東京のJR有楽町駅前の時間営業の立ち食いそば店「名代 後楽そば 有楽町店」が、JR耐震補強工事などのため立ち退きとなり、27日で閉店します。立ち食いそば店では珍しい「焼きそば」(380円)が人気メニュー。愛用してきたファンからは「営業を続けて欲しい」などと惜しむ声が相次いでいます。
店長の服部敏昭さん(57)によれば、有楽町駅の銀座口側に「後楽そば」ができたのは約40年前。服部さんは18歳だった1976年から新宿店(閉店)で働き始め、田町店(閉店)などを経て、80年代前半に有楽町店に来ました。当時の店舗は現在の日比谷口と反対側の銀座口。「有楽町マリオンが出来た頃(1984年)のにぎわいが思い出です。いつもお客さんが入りきらない状態でした」
バブル期に深夜帰りのサラリーマンや客待ちのタクシー運転手たちに愛された後楽そばが時間営業になったのは必然でした。バブルがはじけた年代以降も「焼きそばが食べられる立ち食いそば店」の人気は衰えませんでした。
銀座口の店舗は区画整理のため、2003年に一時閉店。年3月に現在の高架下に移り、再オープンしました。だが、2020年東京五輪パラリンピックの招致が決まった2013年頃に耐震補強工事を行うことが決定。服部さんは「空き店舗が見つかれば再開するかもしれませんが、今のところは未定です」と話しています。本社の後楽本舗が経営する店は現在渋谷と新橋にあり、服部さんはどちらかに移ることになりそうです。
後楽そばは著名人でもファンは多かったのですが、有楽町のニッポン放送でレギュラー番組を持つ経済アナリストの森永卓郎さん(58)は後楽そばの常連客の一人。閉店を知ると「えっ なくなるんですか。ライザップでダイエットを始めて炭水化物を絶ったため、しばらく行っていなかったんですが…」と絶句。
森永さんは「私はいつも焼きそばにいなり寿司のセット(520円)。自由に取れるそば・うどん用のネギを焼きそばとスープの上にてんこ盛りにしても、お店の人はいつも見て見ぬふりをしてくれました。なくなってしまうのなら最後にもう一回行かないとなあ」と嘆いていました。
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