「親鸞 大いなるみ手に抱かれて」
敬愛する東北の演劇人・大日琳太郎さんの芸能生活周年を記念した、ひとり芝居「親鸞 大いなるみ手に抱かれて」が、東京・代官山で上演されました。
親鸞聖人の息子、善鸞によるモノローグ(一人語り)ですが、1時間以上に及び、一人で語り続ける台詞はいったい、どうやったら覚えられるのだろうか。本当に上演中には善鸞が琳太郎さんに乗り移っているのだろうか。
私は浄土真宗ではありませんが、立教大時代に宗教学の授業で鈴木範久教授が題材としたのが、親鸞聖人の弟子・唯円が師の教えを書き残した「歎異抄」でした。南無阿弥陀仏と唱えれば、誰でも極楽浄土に行けるという「他力本願」、悪人こそが救われるという「悪人正機説」は鎌倉時代の民衆にものすごい勢いで広まったわけです。
息子・善鸞は、父の教えに背き、義絶されたわけですが、芝居はその独白という形で、僧侶であるにも関わらず肉食を認め、妻帯者となった父への疑念、憎悪、そして結局は捨てきれぬ愛情を語っていきます。
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